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2013年版日本 防衛白書-1

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台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 09:57:56 | 显示全部楼层 |阅读模式
本帖最后由 关天培 于 2013-7-12 11:16 编辑


2013年版 防衛白書
国民の生命・財産と領土・領海・領空を守り抜く

わが国を取り巻く安全保障環境には様々な課題や不安定要因が存在しており、その一部は、顕在化・先鋭化・深刻化しています。

北朝鮮による「人工衛星」と称するミサイル発射や核実験の実施を含む挑発行為、中国による領海侵入や領空侵犯を含む周辺海空域での活動の急速な拡大・活発化など、わが国周辺の安全保障環境は一層厳しさを増しています。

こうした中、国民の生命・財産とわが国の領土・領海・領空を断固として守り抜くため、政府は、実質11年ぶりに防衛関係費を増額し防衛体制の強化に取り組むとともに、本年中に防衛計画の大綱を見直すため、精力的に検討を重ねています。

現場では、陸・海・空各自衛隊の部隊が、南西地域をはじめ周辺海空域の警戒監視に24時間態勢で対応するとともに、北朝鮮の弾道ミサイルへの対処や災害派遣活動にあたっています。

本年1月の在アルジェリア邦人に対するテロ事件にあたっては、初めて在外邦人輸送のため政府専用機を現地へ派遣しました。

また、わが国の安全、さらにはアジア・太平洋地域の安定を確保する上で重要な役割を果たしている日米同盟を強化するため、ヘーゲル米国防長官と会談し、「日米防衛協力のための指針」の見直しを含め、日米防衛協力の強化に取り組んでいます同時に、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄[琉球]をはじめとする地元の負担を軽減するため、普天間飛行場の移設や嘉手納以南の土地の返還を含む米軍再編計画についても着実に進めています。

さらに、地域の平和と安定のため、米国のみならず関係諸国との防衛協力・交流を積極的に進めるとともに、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動や南スーダンにおける国連PKOへの派遣などを行っています。

こうした取組に加え、防衛生産・技術基盤を維持・強化していくことも重要です。その一環として本年3月、次期戦闘機F-35製造への国内企業の参画について、武器輸出三原則等の例外化措置をとりました。

本年の防衛白書においては、このようなわが国を防衛するための広範多岐にわたる取組を、コラムや図表を充実させながら、記述しています。

わが国の防衛は、国民の皆様の御理解と御協力なしには成り立ちません。この白書が一人でも多くの方の手に取っていただけることを心から願っています。


中国は、大国としての責任を認識し、国際的な規範を共有・遵守するとともに、地域やグローバルな課題に対して、より積極的かつ協調的な役割を果たすことが強く期待されている。
習国家主席は、「中華民族の偉大な復興である中国の夢を実現するため、引き続き努力・奮闘しなければならない」と発言しているが、習政権を取り巻く環境は楽観的なものではなく、各種の課題にいかに対処していくかが注目される。

わが国を含む周辺諸国との利害が対立する問題をめぐって、既存の国際法秩序とは相容れない独自の主張に基づき、力による現状変更の試みを含む高圧的とも指摘される対応を示しており、その中には不測の事態を招きかねない危険な行動も見られるなど、今後の方向性について不安を抱かせる面がある。

中国は、軍事力の広範かつ急速な近代化を進め、また、自国の周辺海空域において活動を急速に拡大・活発化させている。このような動向は、軍事や安全保障に関する透明性の不足とあいまって、わが国を含む地域・国際社会にとっての懸念事項であり、わが国として強い関心をもって注視していく必要がある。

中国は、従来から、具体的な装備の保有状況、調達目標および調達実績、主要な部隊の編成や配置、軍の主要な運用や訓練実績、国防予算の内訳の詳細などについて明らかにしていない。国防政策や軍事力に関する具体的な情報開示などを通じて、中国が軍事に関する透明性を高めていくことが望まれる。

中国の公表国防費は、引き続き速いペースで増加しており、名目上の規模は、過去10年間で約4倍、過去25年間で33倍以上の規模となっている。



中国は、2012年9月に空母「遼寧(りょうねい)」を就役させ、同艦就役後も艦載機パイロットの育成や国産のJ-15艦載機の開発など必要な技術の研究・開発を継続していると考えられる。また、次世代戦闘機との指摘もあるJ-20の開発を進めていることに加え、別の次世代戦闘機の開発も進めているとの指摘もある。
中国のわが国周辺海空域における活動には、わが国領海への侵入や領空の侵犯、さらには不測の事態を招きかねない危険な行動を伴うものがみられ、極めて遺憾であり、中国は国際的な規範の共有・遵守が求められる。

2013年1月、中国海軍艦艇から海自護衛艦に対して、火器管制レーダーが照射される事案などが発生している。このことについて、中国国防部および外交部は同レーダーの使用そのものを否定するなど事実に反する説明を行っている。


中国が独自に領有権を主張している島嶼の周辺海域において、各種の監視活動や実力行使などにより、他国の実効支配を弱め、自国の領有権に関する主張を強めることが、中国の海洋における活動の目標の一つであると考えられる。





南シナ海においては、南沙諸島や西沙諸島の領有権などをめぐって東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国と中国の間で主張が対立しているほか、海洋における航行の自由などをめぐって、国際的に関心が高まっている。


東南アジア各国は、近年、経済成長などを背景として国防費を増額させ、海・空軍の主要装備品の導入を中心とした軍の近代化を進めている。






补充内容 (2013-7-13 22:59):
国际法源文件::琉球群岛是由1943年开罗宣言/1945年波茨坦公告/1945年雅尔达合约/1945年日本战败投降书/1946年盟军最高司令部第677号规范日本战后实际领土的行政命令等5份文件组合而成的

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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 10:00:34 | 显示全部楼层
ポツダム宣言   波茨坦公告



千九百四十五年七月二十六日
米、英、[中国]三国宣言
(千九百四十五年七月二十六日「ポツダム」ニ於テ)



  • 、吾等合衆国大統領、中華民国政府主席及「グレート?ブリテン」国総理大臣ハ吾等ノ数億ノ国民ヲ代表シ協議ノ上日本国ニ対シ今次ノ戦争ヲ終結スルノ機会ヲ与フルコトニ意見一致セリ


  • 、合衆国、英帝国及中華民国ノ巨大ナル陸、海、空軍ハ西方ヨリ自国ノ陸軍及空軍ニ依ル数倍ノ増強ヲ受ケ日本国ニ対シ最後的打撃ヲ加フルノ態勢ヲ整ヘタリ右軍事力ハ日本国カ抵抗ヲ終止スルニ至ル迄同国ニ対シ戦争ヲ遂行スルノ一切ノ連合国ノ決意ニ依リ支持セラレ且鼓舞セラレ居ルモノナリ
  • 三、蹶起セル世界ノ自由ナル人民ノ力ニ対スル「ドイツ」国ノ無益且無意義ナル抵抗ノ結果ハ日本国国民ニ対スル先例ヲ極メテ明白ニ示スモノナリ現在日本国ニ対シ集結シツツアル力ハ抵抗スル「ナチス」ニ対シ適用セラレタル場合ニ於テ全「ドイツ」国人民ノ土地、産業及生活様式ヲ必然的ニ荒廃ニ帰セシメタル力ニ比シ測リ知レサル程更ニ強大ナルモノナリ吾等ノ決意ニ支持セラルル吾等ノ軍事力ノ最高度ノ使用ハ日本国軍隊ノ不可避且完全ナル壊滅ヲ意味スヘク又同様必然的ニ日本国本土ノ完全ナル破壊ヲ意味スヘシ
  • 四、無分別ナル打算ニ依リ日本帝国ヲ滅亡ノ淵ニ陥レタル我儘ナル軍国主義的助言者ニ依リ日本国カ引続キ統御セラルヘキカ又ハ理性ノ経路ヲ日本国カ履ムヘキカヲ日本国カ決意スヘキ時期ハ到来セリ
  • 五、吾等ノ条件ハ左ノ如シ
    吾等ハ右条件ヨリ離脱スルコトナカルヘシ右ニ代ル条件存在セス吾等ハ遅延ヲ認ムルヲ得ス


  • 吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス






  • 七、右ノ如キ新秩序カ建設セラレ且日本国ノ戦争遂行能力カ破砕セラレタルコトノ確証アルニ至ルマテハ聯合国ノ指定スヘキ日本国領域内ノ諸地点ハ吾等ノ茲ニ指示スル基本的目的ノ達成ヲ確保スルタメ占領セラルヘシ
  • 八、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ


  • 日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ得シメラルヘシ
  • 十、吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ国民トシテ滅亡セシメントスルノ意図ヲ有スルモノニ非サルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルヘシ日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切ノ障礙ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ


  • 十一日本国ハ其ノ経済ヲ支持シ且公正ナル実物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルカ如キ産業ヲ維持スルコトヲ許サルヘシ但シ日本国ヲシテ戦争ノ為再軍備ヲ為スコトヲ得シムルカ如キ産業ハ此ノ限ニ在ラス右目的ノ為原料ノ入手(其ノ支配トハ之ヲ区別ス)ヲ許可サルヘシ日本国ハ将来世界貿易関係ヘノ参加ヲ許サルヘシ


  • 十二前記諸目的カ達成セラレ且日本国国民ノ自由ニ表明セル意思ニ従ヒ平和的傾向ヲ有シ且責任アル政府カ樹立セラルルニ於テハ聯合国ノ占領軍ハ直ニ日本国ヨリ撤収セラルヘシ
  • 十三、吾等ハ日本国政府カ直ニ全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適当且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ対シ要求ス右以外ノ日本国ノ選択ハ迅速且完全ナル壊滅アルノミトス



补充内容 (2013-7-12 12:03):
二七五八号投票决议也是延续《开罗宣言》、《波茨坦公告》的精神,再度确认台湾作为中国﹝中华人民共和国 ﹞一部分的法律地位,当然,同时也就概括承受取代了“中华民国”对台湾归属中国的有效管辖和统治地位
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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 10:09:17 | 显示全部楼层
网路文章::
連合軍最高司令部訓令(SCAPIN)第677号1946年1月29日

1
 日本国外の総ての地域に対し、又その地域にある政府役人、雇傭員その他総ての者に対して、政治上又は行政上の権力を行使すること、及、行使しようと企てることは総て停止するよう日本帝国政府に指令する。
2
 日本帝国政府は、巳に認可されている船舶の運航、通信、気象関係の常軌の作業を除き、当司令部から認可のない限り、日本帝国外の政府の役人、雇傭人其の他総ての者との間に目的の如何を問わず、通信を行うことは出来ない。
3
 この指令の目的から日本と言ふ場合は次の定義による。
 日本の範囲に含まれる地域として
日本の四主要島嶼(北海道、本州、四国、九州)と、対馬諸島、北緯30度以北の琉球(南西)諸島(口之島を除く)を含む約1千の隣接小島嶼


 日本の範囲から除かれる地域として
(a)欝陵島、竹島、済州島。(b)北緯30度以南の琉球(南西)列島(口之島を含む)、伊豆、南方、小笠原、硫黄群島、及び大東群島、沖ノ鳥島、南鳥島、中ノ鳥島を含むその他の外廓太平洋全諸島。(c)千島列島、歯舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む)、色丹島.。

4
 更に、日本帝国政府の政治上行政上の管轄権から特に除外せられる地域は次の通りである。
(a)1914年の世界大戦以来、日本が委任統治その他の方法で、奪取又は占領した全太平洋諸島。(b)満洲、台湾、澎湖列島。(c)朝鮮及び(d)樺太。
5
 この指令にある日本の定義は、特に指定する場合以外、今後当司令部から発せられるすべての指令、覚書又は命令に適用せられる。
6
 この指令中の条項は何れも、ポツダム宣言の第8条にある小島嶼の最終的決定に関する連合国側の政策を示すものと解釈してはならない。
7
 日本帝国政府は、日本国内の政府機関にして、この指令の定義による日本国外の地域に関する機能を有する総てのものの報告を調整して当指令部に提出することを要する。この報告は関係各機関の機能、組織及職員の状態を含まなくてはならない。
8
 右第7項に述べられた機関に関する報告は、総てこれを保持し何時でも当司令部の検閲を受けられるようにしておくことを要する。



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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 10:27:50 | 显示全部楼层
本帖最后由 关天培 于 2013-7-12 11:14 编辑

2013年度の防衛力整備
  • 22大綱の見直しなどにあわせ、2013年度の防衛予算の編成に当り準拠となる方針が閣議決定。
  • 周辺海域での情報収集・警戒監視・安全確保を実施する態勢の強化を図るため、新型護衛艦などを取得・建造。

  • 南西諸島を含む領空の警戒監視・防空能力の向上のため早期警戒管制機(E-767)の能力向上や固定式警戒管制レーダーの換装などを実施。

  • 南西諸島をはじめとする島嶼を含む領土の防衛態勢の充実のため、装輪装甲車などの取得や水陸両用車の参考品購入を実施。




防衛関係費〈11年ぶりの増額〉


  • 2013年度においては、一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、国民の生命・財産とわが国の領土・領海・領空を守る態勢を強化するため、2003年度から減少を続けていた防衛関係費を実質11年ぶりに増額。

グローバル・コモンズの安定的利用など〈宇宙、サイバー、海洋〉
  • 近年では、宇宙、サイバー空間、海洋といった国際公共財(グローバル・コモンズ)の安定的利用に対するリスクが新たな安全保障上の課題となってきている。防衛省としても、政府全体の取組に積極的に協力。


日米安全保障体制

日米安全保障体制の意義
  • 日米安保条約に基づく日米安保体制は、わが国防衛の柱の一つである。
  • 日米安保体制を中核とする日米同盟は、わが国のみならずアジア太平洋地域の平和と安定のために不可欠なものである。
  • わが国に駐留する米軍のプレゼンスは、わが国の防衛に寄与するのみならず、アジア太平洋における不測の事態に対する抑止力および対処力として機能しており、日米安保体制の中核的要素を持っている。


日米共同訓練
  • 自衛隊と米軍は、平素より様々な共同訓練を実施してきている。
  • 相互の能力や戦術についての理解を深め、日米共同対処能力の維持・向上、日米それぞれの戦術技量の向上を図る上でも有益である。
  • 効果的な時期、場所、規模で共同訓練を実施することは、日米間での一致した意思や能力を示すことにもなり、抑止の機能を果たすことになる。


MV-22オスプレイの沖縄配備

  • 米海兵隊のMV-22は、これまでのCH-46に比べ速度は2倍、搭載能力は3倍、行動半径は4倍という優れた性能を有する。
  • 同機の沖縄[琉球]配備により、在日米軍全体の抑止力が強化され、この地域の平和と安定に大きく寄与する。
  • MV-22の日本における運用について、安全性は十分に確認されたものと考え、2012年9月に「MV-22オスプレイの沖縄配備について」を公表し、わが国における飛行運用が開始された。




日米防衛協力の強化に向けた取組

  • コラム:「日米首脳会談」(2013年2月)
  • 安倍内閣総理大臣より、わが国自身の防衛力の強化、集団的自衛権についての検討を開始し、同盟強化に役立つものにしていく考えを説明した。さらに日米安保体制の抑止力向上のため、幅広い分野で協力を進め、ガイドラインの見直しの検討を進めたい旨述べた。
  • オバマ米大統領は、日米同盟は太平洋国家としての米国にとってもきわめて重要とし、同盟強化に向けた日本の取組を歓迎した。





日米防衛相会談
  • 2013年4月、小野寺防衛大臣がヘーゲル米国防長官と会談し、日米の協力関係を新たな段階に高めていく重要性について一致した。
  • 小野寺防衛大臣より、北朝鮮情勢について日米および日米韓で緊密に連携していくこと、尖閣[钓鱼]諸島について、断固として領土・領海・領空を守り抜く覚悟である旨説明した
  • ヘーゲル米国防長官からは、尖閣[钓鱼]諸島に日米安保条約第5条が適用されること、同諸島をめぐる現状の変更を試みるいかなる力による一方的な行為にも反対する旨の発言があった。
  • 両閣僚は、ガイドライン見直し作業の前提となる日米間の戦略環境認識に関する議論が進展していることを歓迎し、引き続き精力的に議論を行っていくことで一致した。





米軍再編など在日米軍の駐留に関する施策

  • 普天間飛行場代替施設について、2013年1月に環境影響評価手続を終了するとともに、同年3月には公有水面埋立承認願書を沖縄[琉球]県知事に提出した。
  • 嘉手納飛行場以南の土地の返還について、具体的な返還年度を含む返還スケジュールが統合計画に明記される形で日米間の交渉がまとまり、2013年4月5日に統合計画の公表に至った。





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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 10:55:25 | 显示全部楼层
本帖最后由 关天培 于 2013-7-12 11:01 编辑

周辺海空域の安全確保
  • 各種事態に際し、自衛隊が迅速かつシームレスに対応するため、自衛隊は、平素から常時継続的にわが国周辺海域の警戒監視活動を行う。
  • 海自は、平素からP-3Cにより、航行船舶などの状況を監視。必要に応じ、護衛艦・航空機を柔軟に運用して警戒監視活動を行い、事態に即応する態勢を維持。
  • 海上保安庁と現場で情報を共有するなど、わが国の防衛・警備の態勢に間隙を生じさせることがないよう万全を期している。
  • 2013年5月、接続水域内を航行する潜没潜水艦を海自P-3Cが確認。
  • コラム:「P-3C搭乗員のコメント」、「E-2C搭乗員のコメント」、「沿岸監視隊について」、「南西海域における海上保安庁と海上自衛隊の連携について」
  • 空自は、全国のレーダーサイト、E-2C、E-767などにより、わが国とその周辺の上空を24時間態勢で監視。わが国周辺を飛行する航空機を探知・識別し、領空侵犯のおそれのある航空機を発見した場合には、緊急発進し、その行動を監視する。
  • 2012年度は、22年ぶりに緊急発進回数が500回を突破。中国機への対応が初めて"ロシア"機への対応を上回った。
     




島嶼防衛
  • 事前に兆候を得た場合には、敵に先んじて攻撃が予想される地域に部隊を集中して、敵の攻撃の抑止を図る。敵があくまでもわが国を攻撃する場合、その攻撃を阻止するための作戦を行う。
  • 事前に兆候が得られず万一島嶼を占領された場合には、航空機や艦艇による対地射撃により敵を制圧した後、陸自部隊を着上陸させるなど島嶼を奪回するための作戦を行う。
  • コラム:「米国における統合訓練(実動訓練)(ドーン・ブリッツ13)への参加」

サイバー攻撃への対応
  • 防衛省・自衛隊が任務を遂行していくためには、サイバー空間のもたらすリスクに対応しつつ、その便益を最大限に活用していくことが必要。
  • そのため2012年9月、<1>防衛省&#12539;自衛隊の能力&#12539;態勢強化 <2>民間も含めた国全体の取組への寄与<3>同盟国を含む国際社会との協力を基本方針とする「防衛省&#12539;自衛隊によるサイバー空間の安定的&#12539;効果的な利用に向けて」を策定&#12539;公表。
  • 2013年度は、「サイバー防衛隊(仮称)」を新設するなど体制の充実&#12539;強化を図るほか、サイバー演習環境構築技術に関する研究を始めるなど運用基盤の充実&#12539;強化にも取り組む。

弾道ミサイル攻撃などへの対応
  • わが国の弾道ミサイル防衛は、イージス艦やペトリオットPAC-3を、自動警戒管制システムにより連携させて効果的に行う多層防衛を基本としている。
  • 2013年4月には浜松の2個FUペトリオットPAC-3 を那覇および知念(沖縄県[琉球]南城市)に配備。
  • 北朝鮮への対応
    • 2012年の事案
      4月13日、北朝鮮西岸からの何らかの飛翔体の発射に関する早期警戒情報の受信を確認。さらに同年12月12日、北朝鮮西岸から「人工衛星」と称するミサイルが発射されたものと判断、沖縄県[琉球]上空を通過し、太平洋側へ通過したものと推定。2013年1月25日、防衛省は分析結果を発表。
    • 2013年以降の対応
      北朝鮮は、2013年に入ってからも、ミサイル発射の示唆を含む挑発的な行動を繰り返し実施。防衛省&#12539;自衛隊は、いかなる事態にも対応できるよう万全の態勢を継続。

  • コラム:陸&#12539;海&#12539;空自における「北朝鮮ミサイル対処出動隊員の声」

在外邦人等の輸送への対応
  • 防衛大臣は、外国での災害、騒乱、その他の緊急事態に際し、外務大臣から邦人等の輸送の依頼があった場合、外務大臣と協議をした上で、在外邦人等の輸送が可能。
  • 2013年1月の在アルジェリア邦人に対するテロ事件に際し空自特別航空輸送隊の政府専用機をアルジェリアに派遣。
  • 輸送手段への車両の追加、輸送対象者の範囲の拡大、武器使用の場所と防護対象者の拡大などを内容とする自衛隊法の改正案が4月19日に閣議決定、国会に提出。

各種災害などへの対応
  • 自衛隊は、自然災害をはじめとする災害の発生時には、地方公共団体などと連携&#12539;協力し、被災者や遭難した船舶&#12539;航空機の捜索&#12539;救助、水防、医療、防疫、給水、人員や物資の輸送といった様々な活動を実施。東日本大震災では、大規模震災災害派遣および原子力災害派遣において、最大時10万人を超す隊員が対応。
  • コラム:「災害派遣従事隊員の声」、「おかえりブルーインパルス」

アジア太平洋地域をはじめとする多国間安全保障協力&#12539;対話の推進
  • わが国では、従来から安全保障環境の改善に積極的に取り組んでいるが、近年、対話や交流は質的に深化し、量的に拡大している。防衛省&#12539;自衛隊としても、安全保障協力&#12539;対話、防衛協力&#12539;交流、共同訓練&#12539;演習を多層的に推進している。

能力構築支援
  • 能力構築支援は、途上国自身の対処能力を向上させることにより、地域内における安定を積極的&#12539;能動的に創出し、国際的な安全保障環境を改善するという新たな発想に基づく取組である。

各国との防衛協力&#12539;交流の推進
  • わが国の安全と繁栄を確保するためには、日米同盟を基軸としつつ、多国間および二国間の対話&#12539;交流&#12539;協力の枠組を多層的に組み合わせてネットワーク化していくことが重要である。

海賊対処への取組
  • 国家の生存と繁栄の基盤である資源や食糧の多くを海上輸送に依存しているわが国としては、海賊行為の抑止のため国際的な責任を積極的に果たしていくことが必要である。
  • 護衛艦による護衛3,068隻、P-3Cによる飛行887回(のべ6,880時間)【2013年4月30日現在】

  • 防衛生産&#12539;技術基盤と防衛装備品の取得をめぐる現状

  • わが国の防衛産業の規模は大きくなく、わが国の工業生産額全体に占める防衛省向け生産額の割合は1%以下。
  • 防衛装備品などの生産に従事する企業における防衛需要依存度(防衛関連売上/会社売上)は平均で4%程度と、多くの企業では、防衛事業が主要な事業とはなっていない。
  • 比較的小規模な企業の中には防衛需要依存度が50%を超える企業も存在し、そのような企業は防衛省からの調達が変動すると大きな影響を受ける。


調達の効率化および調達の公正性&#12539;透明性向上のための取組
  • 防衛省では、2013年3月に、総合取得改革推進プロジェクトチーム会合を開催し、2014年度予算要求に調達効率化の成果を反映することなどを目指して、調達改革を強力に推進するため所要の検討を進めている。
  • 2012年1月に判明した三菱電機などの防衛関連企業による一連の過大請求事案について、2012年12月に再発防止策を取りまとめ公表している。

研究開発

  • 技術研究本部では、防衛用ロボットなどの技術開発に取り組むとともにサイバー演習環境構築技術の研究などを実施。
     


防衛生産&#12539;技術基盤の維持&#12539;強化に向けた取組

F-35A生産への国内企業参画
  • F-35は、米国を中心に、9か国により2001年秋から本格的に共同開発が始められた最新鋭の戦闘機。
  • F-35Aを含む航空自衛隊の戦闘機について、将来にわたり、安全性を確保しつつ、高い可動率を維持し、わが国の運用に適した能力向上を行っていくためには、防衛生産&#12539;技術基盤の維持&#12539;育成&#12539;高度化が重要。そのため、機種選定にあたっては、国内企業がF-35の製造に参画することを決定。
  • F-35の維持管理においては、同機が国際共同開発機であることを背景に、全てのユーザー国の参加を想定したALGS(Autonomic Logistics Global Sustainment)という国際的な後方支援システムが採用されている。
  • 政府は、2013年3月、内閣官房長官談話を発出。ALGSの下、国内企業が製造を行うF-35の部品などについては、武器輸出三原則等によらないこととした。
  • ALGSの下での国内企業の製造参画が可能となったことは、航空自衛隊戦闘機の運用&#12539;整備基盤の維持、防衛産業および技術基盤の維持&#12539;育成&#12539;高度化及び部品供給の安定化や米軍に対する支援を通じた日米安保体制の効果的運用といった観点から、わが国の安全保障に大きく資する。
  • 2013年度においては機体の最終組立&#12539;検査(FACO:Final Assembly and Check Out)、エンジン部品の一部、レーダー部品の一部について製造参画する予定。
     


民間転用
  • 防衛省においては、自衛隊機などの調達価格の低減も期待できる防衛省開発航空機の民間転用について、関係省庁とも連携&#12539;協力した検討を推進するとともに、民間転用の実現に必要となる指針および制度の策定を実施。
  • 航空機以外の装備品の民間転用の可能性については、諸外国のニーズ、防衛産業の意向も踏まえ、検討を実施予定。

防衛力を支える組織と人的基盤

防衛省&#12539;自衛隊の職員の募集&#12539;採用
  • 近年、防衛省&#12539;自衛隊に対する国民の期待と支持は高いものとなっている一方で、少子化&#12539;高学歴化が進み、募集の対象となる人口が減少しており、自衛官の募集環境は、ますます厳しくなっている。
  • 防衛省&#12539;自衛隊では、学校説明会、就職情報誌への広告掲載を行うなど募集活動を充実させ、志願者個々のニーズに対応したきめ細かい対応を行ってきている。

日々の教育訓練
  • 自衛隊においては、わが国の防衛をはじめとする各種任務を遂行するため、各隊員の高い知識&#12539;技能の修得や部隊の高い技量&#12539;士気の維持が必要である。
  • 教育訓練は、人的な面で自衛隊の任務遂行能力を強化するためにきわめて重要であり、自衛隊は、隊員の教育や部隊の訓練などを行い、精強な隊員や部隊を作り上げることに努めている。

女性自衛官の一層の活用など
  • コラム:「部下の命を預かる責任の重さ」海自初の女性練習艦艦長

防衛省改革

  • 防衛省改革の検討を加速させるべく、2013年2月、「防衛省改革に関する大臣指示」を発出し、防衛副大臣を委員長とする「防衛省改革検討委員会」を設置した。
  • 同委員会において、不祥事再発防止の観点はもとよりシビリアン&#12539;コントロールを貫徹しつつ、人材を有効に活用して自衛隊をより積極的&#12539;効率的に機能させることができるようにするとの観点から、防衛力の在り方などに関する検討とも連携しつつ検討を進めている。

防衛省&#12539;自衛隊と地域社会&#12539;国民とのかかわり

  • 防衛省&#12539;自衛隊の様々な活動は、国民一人ひとり、そして、地方公共団体などの理解と協力があってはじめて可能となる。
  • 防衛省&#12539;自衛隊は、民生支援として様々な協力活動を行うとともに、防衛施設の設置&#12539;運用が周辺住民の生活に及ぼす影響をできる限り少なくするよう努めている。
  • コラム:「TV連続ドラマ「空飛ぶ広報室」撮影協力」
  • コラム:「ロンドン五輪成果報告&#12539;ソチ五輪に向けた取組」


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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 11:31:32 | 显示全部楼层
カイロ宣言 Cairo Communiqué 开罗宣言1943年
「ローズヴェルト」大統領、蒋介石大元帥及「チャーチル」総理大臣ハ、各自ノ軍事及外交顧問ト共ニ北「アフリカ」ニ於テ会議ヲ終了シ左ノ一般的声明ヲ発セラレタリ

各軍事使節ハ日本国ニ対スル将来ノ軍事行動ヲ協定セリ
三大同盟国ハ海路陸路及空路ニ依リ其ノ野蛮ナル敵国ニ対シ仮借ナキ弾圧ヲ加フルノ決意ヲ表明セリ右弾圧ハ既ニ増大シツツアリ
三大同盟国ハ日本国ノ侵略ヲ制止シ且之ヲ罰スル為今次ノ戦争ヲ為シツツアルモノナリ右同盟国ハ自国ノ為ニ何等ノ利得ヲモ欲求スルモノニ非ス又領土拡張ノ何等ノ念ヲモ有スルモノニ非ス


右同盟国ノ目的ハ日本国ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国カ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト並ニ満洲、台湾及澎湖島ノ 如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコトニ在リ


日本国ハ又暴力及貧慾ニ依リ日本国ノ略取シタル他ノ一切ノ地域ヨリ駆逐セラルヘシ

前記三大国ハ朝鮮ノ人民ノ奴隷状態ニ留意シ軈テ朝鮮ヲ自由且独立ノモノタラシムルノ決意ヲ有ス
右ノ目的ヲ以テ右三同盟国ハ同盟諸国中日本国ト交戦中ナル諸国ト協調シ日本国ノ無条件降伏ヲ齎スニ必要ナル重大且長期ノ行動ヲ続行スヘシ」




対日方針を協議するため1943(昭和18)年11月22日からエジプトのカイロで開催されたフランクリン?ルーズベルト米大統領、ウィンストンチャーチル英首相、蒋介石中国国民政府主席による首脳会談を受けて、12月1日に発表された「カイロ宣言」蒋は会談で、ルーズベルトの問いに答え、天皇制の存廃に関しては日本国民自身の決定に委ねるべきだと論じた。米国が起草した宣言案を英国が修正し、日本の無条件降伏と、満州/台湾/澎湖諸島の中国への返還、朝鮮の自由と独立などに言及した宣言が出された。カイロ宣言の対日方針は、その後連合国の基本方針となり、ポツダム宣言に継承された。


补充内容 (2013-7-12 12:03):
二七五八号投票决议也是延续《开罗宣言》、《波茨坦公告》的精神,再度确认台湾作为中国﹝中华人民共和国 ﹞一部分的法律地位,当然,同时也就概括承受取代了“中华民国”对台湾归属中国的有效管辖和统治地位
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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 11:38:02 | 显示全部楼层
本帖最后由 关天培 于 2013-7-12 12:08 编辑

降伏文書1945年9月2日



下名ハ茲ニ合衆国、中華民国及「グレート、ブリテン」国ノ政府ノ首班ガ千九百四十五年七月二十六日「ポツダム」ニ於テ発シ後ニ「ソヴィエト」社会主義共和国聯邦ガ参加シタル宣言ノ条項ヲ日本国天皇、日本国政府及日本帝国大本営ノ命ニ依リ且之ニ代リ受諾ス右四国ハ以下之ヲ聯合国ト称ス
 下名ハ茲ニ日本帝国大本営竝ニ何レノ位置ニ在ルヲ問ハズ一切ノ日本国軍隊及日本国ノ支配下ニ在ル一切ノ軍隊ノ聯合国ニ対スル無条件降伏ヲ布告ス
 下名ハ茲ニ何レノ位置ニ在ルヲ問ハズ一切ノ日本国軍隊及日本国臣民ニ対シ敵対行為ヲ直ニ終止スルコト、一切ノ船舶、航空機竝ニ軍用及非軍用財産ヲ保存シ之ガ毀損ヲ防止スルコト及聯合国最高司令官又ハ其ノ指示ニ基キ日本国政府ノ諸機関ノ課スベキ一切ノ要求ニ応ズルコトヲ命ズ
 下名ハ茲ニ日本帝国大本営ガ何レノ位置ニ在ルヲ問ハズ一切ノ日本国軍隊及日本国ノ支配下ニ在ル一切ノ軍隊ノ指揮官ニ対シ自身及其ノ支配下ニ在ル一切ノ軍隊ガ無条件ニ降伏スベキ旨ノ命令ヲ直ニ発スルコトヲ命ズ
 下名ハ茲ニ一切ノ官庁、陸軍及海軍ノ職員ニ対シ聯合国最高司令官ガ本降伏実施ノ為適当ナリト認メテ自ラ発シ又ハ其ノ委任ニ基キ発セシムル一切ノ布告、命令及指示ヲ遵守シ且之ヲ施行スベキコトヲ命ジ竝ニ右職員ガ聯合国最高司令官ニ依リ又ハ其ノ委任ニ基キ特ニ任務ヲ解カレザル限リ各自ノ地位ニ留リ且引続キ各自ノ非戦闘的任務ヲ行フコトヲ命ズ
 

下名ハ茲ニ「ポツダム」宣言ノ条項ヲ誠実ニ履行スルコト竝ニ右宣言ヲ実施スル為聯合国最高司令官又ハ其ノ他特定ノ聯合国代表者ガ要求スルコトアルベキ一切ノ命令ヲ発シ且斯ル一切ノ措置ヲ執ルコトヲ天皇、日本国政府及其ノ後継者ノ為ニ約ス
 

下名ハ茲ニ日本帝国政府及日本帝国大本営ニ対シ現ニ日本国ノ支配下ニ在ル一切ノ聯合国俘虜及被抑留者ヲ直ニ解放スルコト竝ニ其ノ保護、手当、給養及指示セラレタル場所ヘノ即時輸送ノ為ノ措置ヲ執ルコトヲ命ズ
 

天皇及日本国政府ノ国家統治ノ権限ハ本降伏条項ヲ実施スル為適当ト認ムル措置ヲ執ル聯合国最高司令官ノ制限ノ下ニ置カルルモノトス


千九百四十五年九月二日午前九時四分日本国東京湾上ニ於テ署名ス
大日本帝国天皇陛下及日本国政府ノ命ニ依リ且其ノ名ニ於テ
重光葵
日本帝国大本営ノ命ニ依リ且其ノ名ニ於テ
梅津美治郎


千九百四十五年九月二日午前九時八分東京湾上ニ於テ合衆国、中華民国、聯合王国及「ソヴィエト」社会主義共和国聯邦ノ為ニ竝ニ日本国ト戦争状態ニ在ル他ノ聯合諸国家ノ利益ノ為ニ受諾ス


聯合国最高司令官
ダグラス、マックアーサー
合衆国代表者
シー、ダブリュー、ニミッツ
中華民国代表者
徐永昌

聯合王国代表者
ブルース、フレーザー
「ソヴィエト」社会主義共和国聯邦代表者
クズマ、エヌ、ヂェレヴィヤンコ
「オーストラリア」聯邦代表者
ティー、ユー、ブレーミー
「カナダ」代表者
エル、コスグレーブ
「フランス」国代表者
ジャック、ルクレルク
「オランダ」国代表者
シェルフ、ヘルフリッヒ
「ニュー、ジーランド」代表者
エス、エム、イシット



补充内容 (2013-7-12 12:02):
联合国大会二七五八号投票决议也是延续《开罗宣言》、《波茨坦公告》的精神,再度确认台湾作为中国﹝中华人民共和国 ﹞一部分的法律地位,当然,同时也就概括承受取代了“中华民国”对台湾归属中国的有效管辖和统治地位



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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 11:38:37 | 显示全部楼层
一个中国,最明确,最标准、最智慧的解释和回答,就是中华人民共和国宪法上所说的,中国只有一个,中华人民共和国是中国唯一合法主权代表,台湾是中华人民共和国神圣领土不可分割的一个部分。

“中华民国”,早已在一九七一年十月二十五日第二十六届联合国大会通过二七五八号投票决议时,就已被中华人民共和国概括承受取代而涵盖吸收为一体﹝亦即一个中国﹞了。

同时,二七五八号投票决议也是延续《开罗宣言》、《波茨坦公告》的精神,再度确认台湾作为中国﹝中华人民共和国 ﹞一部分的法律地位,当然,同时也就概括承受取代了“中华民国”对台湾归属中国的有效管辖和统治地位
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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 11:43:18 | 显示全部楼层
凡   例
本書における次の用語は、それぞれ次の略称を用いました。
1 陸上自衛隊 → 陸自
2 海上自衛隊 → 海自
3 航空自衛隊 → 空自
4 統合幕僚長 → 統幕長
5 陸上幕僚長 → 陸幕長
6 海上幕僚長 → 海幕長
7 航空幕僚長 → 空幕長
8 統合幕僚監部 → 統幕
9 陸上幕僚監部 → 陸幕
10 海上幕僚監部 → 海幕
11 航空幕僚監部 → 空幕

本書の文中において、次の用語について、それぞれ次の略称を用いたほか、適宜ほかの用語についても略称を用いているところがあります。(一部説明の都合で正式名称としている場合があります。)
1 「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」 → 22大綱
2 「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱」 → 16大綱
3 「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱」 → 07大綱
4 「昭和52年度以降に係る防衛計画の大綱」 → 51大綱
5 「中期防衛力整備計画(平成23年度~平成27年度)」 → 23中期防
6 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 → 日米安保条約
7 国際連合 → 国連 [中::联合国]
8 国連安全保障理事会 → 国連安保理 [中::联合国安全理事会]

本書に掲載している写真のクレジットについては、それぞれ次の略称を用いました。
1 時事通信社 → 時事
2 PANA通信社 → PANA
3 中国通信社 → 中国通信

[本書の記述の対象は、原則として平成25年5月下旬までです。]

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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 12:01:12 | 显示全部楼层
第2節 わが国周辺の安全保障環境
アジア太平洋地域では、中国、インド、ロシアの国力の増大にともなう様々な変化がみられるとともに、域内各国間の連携&#12539;協力関係の充実&#12539;強化が図られてきており、特に人道支援&#12539;災害救援、海賊対処など非伝統的安全保障分野を中心に進展がみられている。一方で、この地域は、政治体制や経済の発展段階、民族、宗教など多様性に富み、また、冷戦終結後も各国&#12539;地域の対立の構図が残り、さらには、安全保障観、脅威認識も各国によって様々であることなどから、冷戦終結に伴い欧州地域でみられたような安全保障環境の大きな変化はみられず、依然として領土問題や統一問題といった従来からの問題も残されている。


朝鮮半島においては、半世紀以上にわたり同一民族の分断が継続し、南北双方の兵力が対峙する状態が続いている。また、台湾をめぐる問題のほか、南シナ海をめぐる問題なども存在する。さらに、わが国について言えば、わが国固有の領土である北方領土や竹島の領土問題が依然として未解決のまま存在している。


北朝鮮においては、2011年12月の金正日(キム&#12539;ジョンイル)国防委員会委員長の死去後、金正恩(キム&#12539;ジョンウン)国防委員会第1委員長を指導者とする体制が整えられた。北朝鮮が2012年12月に行った「人工衛星」と称するミサイル発射は北朝鮮の弾道ミサイル技術の進展を示しており、北朝鮮の弾道ミサイル開発は、新たな段階に入ったと考えられる。北朝鮮の弾道ミサイルについては、その開発&#12539;配備、さらに移転&#12539;拡散の観点から強く懸念される。北朝鮮による核開発については、平和的な方法による朝鮮半島の検証可能な非核化を目標とする六者会合が2008年12月以降中断しているが、一方、北朝鮮の核兵器計画は、2013年2月の核実験実施を含むこれまでの北朝鮮の様々な言動や核実験の実施時期などを考えれば、相当に進んでいる可能性も排除できない。また、高濃縮ウランを用いた核兵器開発も推進している可能性がある。北朝鮮による核実験は、弾道ミサイル能力の増強とあわせ考えれば、わが国の安全に対する重大な脅威であり、北東アジアおよび国際社会の平和と安定を著しく害するものとして断じて容認できない。このように北朝鮮の動向は、引き続き予断を許さない状況であり、今後の動向について、わが国として強い関心を持って注視していく必要がある。北朝鮮による日本人拉致問題は、わが国の国民の生命と安全に大きな脅威をもたらす重大な問題であるが、依然未解決であり、北朝鮮側の具体的な行動が求められる。
この地域の多くの国は、経済成長を背景として、国防費の増額や新装備の導入など軍事力の近代化を行っている。


特に、今日、政治的&#12539;経済的に大国として重要な影響力を持つに至った中国は、軍事に関してもその動向が各国に注目される存在となっており、大国としての責任を認識し、国際的な規範を共有&#12539;遵守するとともに、地域やグローバルな課題に対して、より積極的かつ協調的な役割を果たすことが強く期待されている。一方、中国は、継続する高い国防費の伸びを背景に軍事力の広範かつ急速な近代化を推進している。中国の軍事力の近代化の現状や将来像は明確にされておらず、軍事や安全保障に関する意思決定プロセスの透明性も十分確保されていないことにより、各国が不信感や誤解を抱く可能性が指摘されている。また、中国は、海洋における活動を急速に拡大&#12539;活発化させている。特に、わが国周辺海空域では、同年1月の中国海軍艦艇による海自護衛艦に対する火器管制レーダーの照射事案など、不測の事態を招きかねない危険な行為や中国海上法執行機関所属の公船や航空機によるわが国領海への侵入や領空の侵犯などが生起している。このような中国の動向は、軍事や安全保障に関する透明性の不足とあいまって、わが国を含む地域&#12539;国際社会にとっての懸念事項であり、わが国として強い関心を持って注視していく必要がある。こうしたことから、中国の軍事に関する透明性の一層の向上が求められており、中国との間で対話や交流を促進し、相互理解と信頼関係を一層強化していくことが重要な課題となっている。一方、中国では、共産党指導部などの大幅な交代があり、習近平(しゅう&#12539;きんぺい)政権が成立したが、国内に様々な問題が存在していることから、新政権を取り巻く環境は楽観的なものではなく、各種の課題にいかに対処していくかが注目される。


ロシアは、豊かなロシアの建設を現在の課題としつつ、新たな経済力&#12539;文明力&#12539;軍事力の配置を背景に、ロシアは主権を保持した影響力ある国にならなければならないとしており、これまでの経済発展を背景に、国力に応じた軍事態勢の整備を行おうとすると同時に、核戦力を引き続き重視している。近年、兵員の削減と機構面の改革、即応態勢の強化、新型装備の開発&#12539;導入を含む軍の近代化などが進められており、また、最近では、軍、特に海&#12539;空軍によるグローバルな展開がみられる。極東においても、引き続きロシア軍の艦艇および航空機の活動が活発化する傾向がみられ、大規模な演習も行われている。
以上のように、一層厳しさを増す安全保障環境にあるアジア太平洋地域においては、その安定のため、米軍のプレゼンスは依然として非常に重要であり、わが国、オーストラリア、韓国などの各国が、米国との二国間の同盟&#12539;友好関係を構築し、これらの関係に基づき米軍が駐留しているほか、米軍のさらなるプレゼンスの強化に向けた動きなどがみられる。(図表I-0-0-1参照)

また、近年、この地域では、域内諸国の二国間軍事交流の機会の増加がみられるほか、東南アジア諸国連合(ASEAN:Association of Southeast Asian Nations)地域フォーラム(ARF:ASEAN Regional Forum)や拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス:ASEAN Defence Ministers' Meeting - Plus)、民間機関主催による国防大臣参加の会議などの多国間の安全保障対話や二国間&#12539;多国間の共同演習も行われている。地域の安定を確保するためには、こうした重層的な取組をさらに促進&#12539;発展させていくことも重要である。
なお、アジア太平洋地域の安全保障に影響力を有する米国、中国、ロシア、韓国などにおいては、2011年から2013年にかけて、重要な国政選挙や政治指導者の交代が行われた。それぞれの国の新たな政権などが多様で複雑な内政上の課題を抱えつつ、どのような安全保障戦略や軍事態勢をとり、また、地域や国際社会の課題&#12539;不安定要因に取り組むのかが注目される。


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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 13:13:09 | 显示全部楼层

第1節 米国
1 安全保障政策&#12539;国防政策
米国は、その影響力が相対的に変化しつつあるが、引き続き世界の平和と安定にもっとも大きな役割を果たしており、その安全保障政策&#12539;国防政策の動向は、わが国を含む多くの国家に大きな影響を与えている。2012年1月、オバマ政権は新たな国防戦略指針1を公表し、その中で、米国の安全保障戦略の重点をアジア太平洋地域に置くことを明らかにした。同年11月の大統領選挙で再選を果たしたオバマ大統領は、再選後初めての外遊でタイ、ミャンマー、カンボジアを訪問するなど、二期目においても同地域を重視する方針を継続していく姿勢を示している。
一方、近年、米国政府の財政赤字が深刻化する中で政府歳出の大幅削減が求められており、2012年1月、国防省は、12会計年度から21会計年度までの10年間で国防歳出を約4,870億ドル削減することを発表した2。このような将来の国防歳出削減の必要性は、国防戦略指針が策定された背景の一つとなっている。また、2013年3月に国防歳出を含む政府歳出の強制削減3が開始された。ヘーゲル国防長官を始めとする国防省高官は、度々、強制削減の影響について懸念する旨の発言をしており、国防省は同年同月、ヘーゲル国防長官が国防戦略に対する強制削減の影響に関して省内で調査を行うよう指示したことを明らかにした。国防歳出の強制削減が今後の米国の国防戦略や安全保障政策に関する選択に与える影響が注目される。

就任にあたり国防省で演説するヘーゲル国防長官2013年2月【米国防省】


1 国防戦略指針
2012年1月、オバマ政権は、新たな国防戦略指針を公表した。これは、10年にわたるアフガニスタンおよびイラクにおける作戦の後、米軍が両国からの撤収を進めていること4、また、厳しい米政府の財政状況下で国防歳出を含む政府歳出の大幅削減が求められていること、という国外&#12539;国内双方の要因により、現在の米国が転換点に置かれているとの認識のもと、国防上の優先順位について改めて見直し、2020年の統合軍のあり方を示すものとして策定されたものである。国防戦略指針公表後のブリーフィングにおいて、オバマ大統領は、将来の米軍は、小規模で引き締まったものになるが、同時に、より俊敏で柔軟性があり、即時に展開可能であり、技術的に優れたものとなると発言した。

(1)安全保障環境認識
国防戦略指針は、世界的な安全保障環境について、課題(暴力的過激主義者による脅威、大量破壊兵器の拡散、海&#12539;空&#12539;宇宙&#12539;サイバー空間といった国際公共財(グローバル&#12539;コモンズ:Global Commons)に対する侵害など)と機会(アジア太平洋地域の発展、中東における民主化運動など)が複雑に入り混じったものになっており、国力の全ての要素を用いて対応することが必須であるとしている。
特に、アジア太平洋地域に関しては、米国の経済上、安全保障上の利益が西太平洋および東アジアからインド洋および南アジアにかけての弧状の地域の発展と密接に関連していることを理由に、米国は、その安全保障戦略を、よりアジア太平洋地域へ重点を置いたものとするとし、同地域における同盟国との関係を強化するとともに、友好国との協力を拡大するとしている。
中国の同地域における大国としての台頭については、米国の経済と安全保障に長期的に影響を与える潜在的な可能性があるとした上で、米国と中国は、東アジアの平和と安定に強い利害関係を持ち、協力的な二国間関係を築くことに利益を有するとしている。他方、同地域内における摩擦を回避するため、中国の軍事力の拡大は、その戦略的意図に関する透明性を伴ったものでなければならないとしている。そして、米国は、同地域へのアクセスを維持し、条約上の義務や国際法に従って自由に行動する能力を保つため、必要な資源の投入を続けるとした上で、同盟国や友好国と密接に協力しつつ、安定を確保するため、法規範に基づいた国際秩序を促進し続けるとし、新興国の平和的な台頭や経済的活力、建設的な防衛協力を推奨するとしている。
中東については、弾道ミサイルや大量破壊兵器の拡散について特に懸念を有しているとした上で、必要に応じ湾岸協力理事会(GCC:Gulf Cooperation Council)5諸国と協力し、イランの核兵器能力開発の阻止などのため、湾岸地域における安全保障を強化するとしている。
欧州についても、アフガニスタンおよびイラクからの撤退が、米軍の欧州への資源の投入を、現在の紛争に焦点を置いたものから将来の能力に焦点を置いたものに再調整するための戦略的な機会を作り出したとしている。その上で、戦略的な環境の進展に応じ、欧州における米軍の態勢も進化させなければならないとしている6
その他の地域については、世界的リーダーシップに関する負担と責任を共有するため、アフリカや中南米を含む地域において、米国と国益や視点を同じくする多数の新興国との間に新たな協力関係を構築するとしている。また、そのための具体的方策として、可能な限り、演習、ローテーション展開、助言などの革新的、低コストかつ小規模のアプローチを用い、安全保障上の目的を達成するとしている。

(2)能力強化の重点分野
国防戦略指針は、以下の主要任務における能力を維持&#12539;強化する必要があり、これらにより将来の米軍の形が概ね決定されるとしつつ、米軍全体の能力は、特に下記の<1>、<2>、<6>、<7>の任務の要求に基づいたものになるとしている。
<1> 対テロ作戦&#12539;非正規戦:アルカイダを打破し、アフガニスタンがアルカイダにとっての聖域になることを阻止する。
<2> 米国に対する攻撃の抑止&#12539;打破:米軍は、全ての領域(陸&#12539;海&#12539;空&#12539;宇宙&#12539;サイバー空間)にまたがった統合作戦を行うことで、1つの地域において国家主体の攻撃的な目的を完全に否定することを見据えながら、2つ目の地域において、その機会に乗じて攻撃を行おうとする者に対し、その目的を否定したり、受容できないコストを課したりする能力を保有する7
<3> アクセス(接近)阻止/エリア(領域)拒否(A2/AD)環境下8での戦力の展開:中国やイランなどの国家は、米国の戦力の展開能力に対抗するための非対称な手段を追求している。また、高度な兵器や技術は非国家主体にも拡散している。米軍は、A2/AD環境下において効果的に行動できる能力を確保するための投資を行う9
<4> 大量破壊兵器への対抗:核&#12539;生物&#12539;化学兵器の拡散や使用の阻止を目的とした活動を行う。また、使用阻止の取組が失敗した場合に備え、他の政府機関とも協力し、大量破壊兵器使用に対する検知、防護、対処のために必要な能力への投資を継続する。
<5> サイバー空間および宇宙空間における効果的な作戦:国内外のパートナーと協力し、サイバー空間や宇宙空間において、自らのネットワーク、作戦能力および強靱性を保護するための先進的能力へ投資する。
<6> 安全かつ効果的な核抑止の維持:世界に核兵器が存在する限り、米国は核兵器を維持するが、米国の抑止目標はより少ない核戦力によって達成可能である。
<7> 国土防衛および国内の文民部門の支援:米国領土に対する直接攻撃からの防衛を継続する。国土防衛の失敗や自然災害発生時には、国内の文民部門の支援も行う。
<8> 安定的な軍事プレゼンスの提供:米軍は、ローテーション展開、二国間や多国間演習等により、持続可能なペースで海外におけるプレゼンスを維持する。一方、資源が削減される中、軍の展開地域や他国との軍事演習の頻度に関しては賢明な選択が必要である。
<9> 安定化作戦&#12539;反乱鎮圧作戦の遂行:安定化作戦に関する米軍への需要を削減するため、非軍事手段や軍同士の協力を重視する。また、米軍は今後、大規模かつ長期的な安定化作戦を行うための兵力規模を維持しない。
<10> 人道支援、災害救援およびその他の作戦:大規模な残虐行為の防止や対応のための統合ドクトリンおよび軍事オプションの発展を継続する。また、緊急事態における、海外在住の米国民(非戦闘員)を退避させるための活動の遂行能力を維持する。
(3)軍事態勢およびプログラムの検討に係る原則
(2)にあげた任務を確実に遂行するため、国防戦略指針は、軍事態勢およびプログラムの検討に関して以下の原則をあげている。
<1> 任務における重視事項を区別するとともに、任務に関係する分野と関係しない分野を明確に区別する。
<2> 現在行うべき投資と、従来の投資のうち延期できるものとを区別する。
<3> 米軍の全体的な規模を削減する際にも、即応態勢がとれた部隊を維持する。
<4> 事業実施に係るコストの削減を継続する。
<5> 新たな戦略が既存の計画に与える影響についての調査を行う。
<6> 現役と予備役の最適な組み合わせに関する調査を行う。
<7> ネットワーク戦における進展のためにさらなる手段を講じる。
<8> 新たな戦略と戦力規模とを調整するに際して、産業基盤と科学技術分野への十分な投資を維持するため、あらゆる取組を行う。

2 アジア太平洋地域におけるプレゼンスの強化
米国は国防戦略指針に示されたアジア太平洋地域重視の方針に基づき、同地域におけるプレゼンスの強化を進めている。2011年11月、オバマ大統領はオーストラリアの議会において演説を行い、今後、アジア太平洋地域におけるプレゼンスおよび任務を最優先とすることを明言し、日本や韓国におけるプレゼンスを維持しつつ東南アジアでのプレゼンスを向上させることなどを示した。
アジア太平洋地域における米軍プレゼンスの強化に関する具体例としては、オーストラリアにおける米軍プレゼンスの強化があげられる。同年11月、オバマ大統領とギラード豪首相は共同発表を行い、<1>ダーウィンなどのオーストラリア北部において、米海兵隊が毎年6か月程度のローテーションで展開し、豪軍との演習&#12539;訓練を行うこと10、<2>オーストラリア北部における豪軍の施設&#12539;区域への米空軍機のアクセスを拡大し、共同演習&#12539;訓練の機会を拡大することを内容とする、米豪戦力態勢イニシアティブを明らかにした。本イニシアティブは、「地理的に分散し、運用上強靱であり、政治的に持続可能な米軍のプレゼンス」という、アジア太平洋地域における米軍の戦力態勢についての基本的な考え方を実現するための一環として行われるとされている。他の例としては、2011年6月にゲイツ国防長官(当時)によって表明されたシンガポールへの沿海域戦闘艦(LCS:Littoral Combat Ship)11最大4隻のローテーション展開などがあげられ、2013年4月にはLCS「フリーダム」がシンガポールに到着し、第一回目となるローテーション展開を開始した。また、米国は東南アジア諸国との間で、累次にわたる共同軍事演習や軍事技術供与、軍事援助などを行い、信頼関係を構築するとともに、東南アジア諸国の即応能力の強化に努めている。さらに、パネッタ国防長官(当時)は、2020年までに、太平洋と大西洋の艦艇配備比率を現在の5:5から6:4にすることや12、アジア太平洋地域における合同演習の数および規模を拡大することなどについて言及している。

一方、米国は、同盟国や友好国のみならず中国に対しても、アジア太平洋地域への関与の重要性を強調する姿勢を示している。2012年9月、パネッタ国防長官(当時)は中国の人民解放軍装甲兵工程学院において演説し、同地域の平和と安定のためには米国と中国の軍事関係を構築することが重要であると述べるとともに、中国を2014年のRIMPAC(環太平洋合同演習)へ招待することを表明した。

3 核戦略
オバマ大統領は、核兵器のない世界を目標にする一方で、この目標は早期に実現できるものではなく、核兵器が存在する限り核抑止力を維持するとしている。
2010年4月に発表された「核態勢の見直し」(NPR:Nuclear Posture Review)は、核をめぐる安全保障環境が変化してきており、核テロリズムおよび核拡散が今日における切迫した脅威となっているとしている。また、核兵器保有国、特にロシアおよび中国との戦略的安定性の確保という課題に向けて取り組まなくてはならないとしている。
NPRはこのような安全保障環境認識に立脚し、<1>核拡散と核テロリズムの防止、<2>米国の核兵器の役割の低減、<3>低減された核戦力レベルでの戦略的抑止と安定の維持、<4>地域的抑止の強化と同盟国&#12539;パートナー国に対する安心の供与、<5>安全&#12539;確実&#12539;効果的な核兵器の維持、という5つの主要目標を提示している。

4 宇宙政策
米軍は情報収集や通信の多くを宇宙システムに依存している。11(同23)年2月に公表された「国家安全保障宇宙戦略」(NSSS:National Security Space Strategy)は、現在および将来の宇宙環境には、<1>衛星などの人工物体による混雑、<2>潜在的な敵対者による挑戦、<3>他国との競争の激化、という3つの傾向があるとの認識を示した。この認識を踏まえ、米国の宇宙における戦略目標は、<1>宇宙の安全、安定、安全保障の強化、<2>宇宙によりもたらされる米国の戦略的な国家安全保障上の優越性の維持および強化、<3>米国の国家安全保障を支える宇宙産業基盤の活性化、であるとしている。そして、これらの目標を達成するために、<1>責任のある平和的で安全な宇宙利用の促進、<2>向上した米国の宇宙能力の提供、<3>責任ある国家、国際機関、民間企業との連携、<4>米国の国家安全保障を支える宇宙インフラに対する攻撃の防止および抑止、<5>悪化した環境において攻撃を打破し、活動するための備え、という戦略的アプローチを追求するとした。

5 14会計年度予算
近年、米国政府の財政赤字が深刻化しており、2011年8月に成立した予算管理法において、21会計年度までに政府歳出を大幅に削減することが規定された。2012年1月、国防省は、同法の成立を踏まえた具体的な国防歳出削減額が、12会計年度から21会計年度までの10年間で約4,870億ドル(13会計年度から17会計年度までの5年間で約2,590億ドル)に上ることを発表した。また、2013年3月には、予算管理法の規定により、国防歳出を含む政府歳出の強制削減が開始した。議会および大統領が約1.2兆ドルの財政赤字の削減案に合意しない限り強制削減は21会計年度予算まで継続し、同法による国防歳出の強制削減額は、21会計年度予算までに約5,000億ドルに上るとされている。
このような中で発表された14会計年度予算教書において、オバマ大統領は、強制削減の停止のために合意が必要な削減額を上回る約1.8兆ドルの財政赤字を今後10年間で削減することとしているが、国防歳出を含む政府歳出の強制削減額を反映したものではない。国防予算については、13会計年度予算の水準から12億ドル増の5,266億ドルの本予算を計上するとともに、13会計年度予算の水準から91億ドル減の794億ドルの海外における事態対処作戦の予算を計上している。また、国防予算の主要な原則については、<1>国民が納める税の適切な使用、<2>新たな戦略指針に沿ったプログラムの実行と深化、<3>人材の重視、<4>アフガニスタンからの責任ある撤退への投資、としている。ただし、議会および大統領が財政赤字削減案の合意に至らず、強制削減が継続する場合には、上記の額から一年間で約520億ドルが削減されると指摘されており、国防歳出を含む政府歳出の強制削減に関する今後の動向が注目される。
(図表I-1-1-1&#12539;2参照)




1)本文書の正式な名称は、「Sustaining U.S. Global Leadership:Priorities for 21st Century Defense」である。
2)2012年2月に議会に提出された2013会計年度国防省予算要求に関する国防省発表資料によると、「削減額」は、2012会計年度予算要求(2011年2月議会提出)時に見積もられていた10年間の国防省本予算額の合計から、2013会計年度予算要求時に見積もった10年間の国防省本予算額の合計を引いた差額のことを指している。
3)予算管理法による国防歳出の強制削減額は、21会計年度予算までに約5,000億ドルに上ると指摘されている。
4)このうちイラクに関しては、2011年12月18日をもって駐イラク米軍が撤収を完了し、アフガニスタンについては2014年末までに戦闘部隊を撤収することとされている。
5)1981年に設立された、加盟国間の協力、統合などを目的とした地域機構。加盟国は、アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビア、オマーン、カタールおよびクウェートの6か国
6)2012年2月に議会に提出された、2013会計年度国防省予算要求においては、欧州に所在する4つの旅団戦闘チームのうち2つを削減する一方で、今後、国内に拠点を置く部隊を欧州にローテーションで展開させて訓練&#12539;演習を行うこと、欧州におけるミサイル防衛システムへの投資を維持することなどが示されている。
7)冷戦終結以降、米軍の戦力は「2つの大規模な地域紛争を戦い、勝利する」という考え方をもとに構成されてきた。一方、2010年に公表されたQDRでは、現在の安全保障環境はこの考え方が採用された頃よりも複雑になっており、米軍は多様な事態に対処しなくてはならないため、この考え方のみで米軍の戦力構成を決定することはもはや適切ではないとし、米軍は2つの国家による攻撃に対処する能力は保持しつつも、多岐にわたる作戦を実施する能力を保有するとしている。
8)アクセス(接近)阻止(A2:anti - access)能力とは、米国によって示された概念であり、主に長距離能力により、敵軍がある作戦領域に入ることを阻止するための能力のことを指す。また、エリア(領域)拒否(AD:area - denial)能力とは、より短射程の能力により、作戦領域内での敵軍の行動の自由を制限するための能力のことを指す。A2/ADに用いられる兵器としては、たとえば、弾道ミサイル、巡航ミサイル、対衛星兵器、防空システム、潜水艦、機雷などがあげられる。
9)2010年のQDRは、米国が、高度なA2/AD能力を有する敵対者を打破するため、統合エアシーバトル構想を進めているとしている。2010年のQDRによれば、この構想は、航空戦力と海上戦力が全ての作戦領域をまたいでどのように能力を統合させていくかを規定するものであり、効果的な戦力の展開に必要な将来の能力発展の指針を付与するものとされている。
10)展開規模については、250人程度から開始し、数年間をかけ、最終的には航空機、陸上車両、砲兵などを含む2,500人規模の海兵空地任務部隊の構築を目指す、としている。なお、2012年4月から9月にかけて米海兵隊員約250人による第一回の展開が行われた。
11)沿海域において、A2能力を持つ非対称な脅威を打破するために設計された、高速かつ機動的な艦艇。
12)米軍が保有している10隻の空母のうち、6隻をアジア太平洋地域に配備するとしている

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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 13:48:43 | 显示全部楼层

2 軍事態勢
1 全般
核戦力を含む戦略攻撃兵器については、米国は2011年2月に発効した新戦略兵器削減条約に基づく削減を進めており、2013年4月現在の配備戦略弾頭1は1,654発、配備運搬手段は792基&#12539;機であると公表した2
米国はさらに、核兵器への依存を低減させるための新たな能力の一つとして、「通常兵器による迅速なグローバル打撃」(CPGS:Conventional Prompt Global Strike)構想を研究している。同構想は、世界のいかなる場所に所在する目標に対しても、命中精度の高い非核長距離誘導ミサイルによって、敵のアクセス(接近)阻止(A2)能力を突破して迅速な打撃を与えようとするものである。
ミサイル防衛(MD:Missile Defense)については、2010年2月に「弾道ミサイル防衛見直し」(BMDR:Ballistic Missile Defense Review)を公表し、米国本土の防衛については地上配備型迎撃ミサイルにより北朝鮮やイランのICBMに対処するとし、他の地域の防衛については、MDシステムへの投資を拡大しつつ、同盟国との協力と負担の適切な共有のもと、それぞれの地域に応じてMD能力を段階的に向上させるアプローチ(PAA:Phased Adaptive Approach)をとっていくとしていたが、2012年1月には、米国本土および欧州におけるMDプログラムのための投資を継続する一方、地域において配備可能なMDシステムのための支出を削減し、将来的に、同盟国およびパートナー国への依存を増加することを表明している。また、2013年3月には、北朝鮮の核実験の実施や長距離弾道ミサイル技術の開発における進展などに対して米国本土防衛を強化するため、地上配備型迎撃ミサイルを本土に、BMD用移動式レーダーを日本にそれぞれ追加配備する一方、欧州に配備することを予定していたスタンダード&#12539;ミサイル(SM-3)ブロックIIBの開発を再検討することなどを発表した。
陸上戦力は、陸軍約55万人、海兵隊約20万人を擁し、ドイツ、韓国、日本などに戦力を前方展開している。陸軍は、国防戦略指針にも記述されているとおり、より小規模ながらも、世界中においてあらゆる種類の作戦を実施できる態勢にある戦力の構築に向けた取組を行っている。海兵隊は、より小規模な部隊である特殊部隊と、より大規模な部隊である重武装の通常部隊との間をつなぐ「中量級」の部隊として、あらゆる脅威に対処することが可能な戦力の獲得を目指している。なお、国防省は2012年1月、将来的に陸軍人員を49万人に、海兵隊人員を18.2万人にそれぞれ削減することを発表した。
海上戦力は、艦艇約960隻(うち潜水艦約70隻)約640万トンの勢力を擁し、東大西洋、地中海およびアフリカに第6艦隊、ペルシャ湾、紅海および北西インド洋に第5艦隊、東太平洋に第3艦隊、南米とカリブ海に第4艦隊、西太平洋とインド洋に第7艦隊を展開している。QDRは、海軍は前方展開による強力なプレゼンスと戦力の展開能力を引き続き保つとしている3
航空戦力は、空軍、海軍と海兵隊を合わせて作戦機約3,500機を擁し、空母艦載機を洋上に展開するほか、ドイツ、英国、日本や韓国に戦術航空戦力の一部を前方展開している。QDRは、第5世代戦闘機の増加によって空軍の生存能力がさらに向上するとしているほか、パートナー国の治安部隊への支援作戦を強化するとしている。
さらに、サイバー空間での脅威の増大に対処するため、サイバー空間における作戦を統括するサイバーコマンドを創設した。サイバーコマンドは2010年5月に初期運用を開始、同年11月に本格運用を開始した4

2 アジア太平洋地域における現在の軍事態勢
太平洋国家である米国は、アジア太平洋地域に陸&#12539;海&#12539;空軍と海兵隊の統合軍である太平洋軍を配置し、この地域の平和と安定のために、引き続き重要な役割を果たしている。
陸軍は、2個師団から構成され、ハワイに第25歩兵師団、韓国に第2歩兵師団、第19支援コマンドなどを配置するほか、日本に第1軍団の前方司令部&#12539;在日米陸軍司令部など約2,500人を配置している5
海軍は
、ハワイに司令部を置く太平洋艦隊のもとに、西太平洋とインド洋などを担当する第7艦隊、東太平洋やベーリング海などを担当する第3艦隊などを有し、艦艇約180隻を擁している。このうち第7艦隊は、1個空母打撃群を中心に構成されており、日本、グアムを主要拠点として、領土、国民、シーレーン、同盟国その他米国の重要な国益を防衛することなどを任務とし、空母、水陸両用戦艦艇やイージス巡洋艦などを配備している。
海兵隊は、ハワイに司令部を置く太平洋海兵隊のもとに、米本土と日本にそれぞれ1個海兵機動展開部隊を配置している。このうち、日本には第3海兵師団とF/A-18戦闘機などを装備する第1海兵航空団約1万7,000人が展開しているほか、重装備などを積載した事前集積船が西太平洋に配備されている。
空軍は、ハワイに司令部を置く太平洋空軍のもとに4個空軍を有し、このうち、日本の第5空軍に3個航空団(F-16戦闘機、C-130輸送機などを装備)を、韓国の第7空軍に2個航空団(F-16戦闘機などを装備)を配備している。

(図表I-1-1-3参照)



1)配備済みのICBMおよび潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM:Submarine-Launched Ballistic Missile)に搭載した弾頭ならびに配備済みの重爆撃機に搭載した核弾頭(配備済みの重爆撃機は1つの核弾頭としてカウント)
2)2013年3月1日現在の数値であるとしている。
3)2006年のQDRでは、太平洋に少なくとも持続的に作戦運用可能な空母6隻及び潜水艦の60%を展開させるとしていたが、2012年、パネッタ国防長官(当時)は、2020年までに全艦艇の6割を太平洋に配備すると発言した。
4)サイバー関連部隊として、陸軍サイバーコマンド、艦隊サイバーコマンド、第24空軍、海兵隊サイバー空間コマンドが新編された。
5)本項で用いられている米軍の兵力数は、米国防省公刊資料(2012年9月30日現在)による現役実員数であり、部隊運用状況に応じて変動しうる。

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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 15:26:11 | 显示全部楼层
第2節 朝鮮半島
朝鮮半島では、半世紀以上にわたり同一民族の南北分断状態が続いている。現在も、非武装地帯(DMZ:Demilitarized Zone)を挟んで、160万人程度の地上軍が厳しく対峙している。
このような状況にある朝鮮半島の平和と安定は、わが国のみならず、東アジア全域の平和と安定にとってきわめて重要な課題である。
(図表I-1-2-1参照)


1 北朝鮮
1 全般
北朝鮮は、思想、政治、軍事、経済などすべての分野における社会主義的強国の建設を基本政策として標榜し1、その実現に向けて「先軍政治」という政治方式をとっている。これは、「軍事先行の原則に立って革命と建設に提起されるすべての問題を解決し、軍隊を革命の柱として前面に出し、社会主義偉業全般を推進する領導方式」と説明されている2。実際に、指導者の金正恩(キム&#12539;ジョンウン)国防委員会第1委員長は軍を掌握する立場にあり、2013年1月の「新年の辞」3において、「軍力(軍事力)はすなわち国力であり、軍力をあらゆる方面から強化する道に強盛国家もあり、人民の安寧と幸福もある」と述べるなど軍事力の重要性に言及しているほか、軍組織の視察などを多く行っている。これらのことなどから、軍事を重視し、かつ、軍事に依存する状況は、今後も継続すると考えられる。
北朝鮮は、現在も深刻な経済困難に直面し、食糧などを国際社会の支援に依存しているにもかかわらず、軍事面に資源を重点的に配分し、戦力&#12539;即応態勢の維持&#12539;強化に努めていると考えられる。また、その軍事力の多くはDMZ付近に展開している。なお、2013年4月の最高人民会議における北朝鮮の公式発表によれば、北朝鮮の同年度予算に占める国防費の割合は、16.0%となっているが、これは、実際の国防費の一部にすぎないとみられている。
さらに、北朝鮮は、大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発などを続けるとともに、大規模な特殊部隊を保持するなど、いわゆる非対称的な軍事能力を維持&#12539;強化していると考えられるほか4、朝鮮半島において軍事的な挑発行動を繰り返している。
北朝鮮のこうした軍事的な動きは、朝鮮半島の緊張を高めており、わが国を含む東アジア全域の安全保障にとって重大な不安定要因となっている。
北朝鮮の核兵器保有が認められないことは当然であるが、同時に、弾道ミサイルの開発&#12539;配備の動きや朝鮮半島における軍事的対峙、北朝鮮による大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の動きなどにも注目する必要がある。
北朝鮮がきわめて閉鎖的な体制をとっていることなどから、北朝鮮の動向の詳細や意図を明確に把握することは困難であるが、わが国として強い関心を持って注視していく必要がある。

2 大量破壊兵器&#12539;弾道ミサイル
北朝鮮の大量破壊兵器については、核兵器計画をめぐる問題のほか、化学兵器や生物兵器の能力も指摘されている。
北朝鮮の核問題は、わが国の安全保障に影響を及ぼす問題であるのみならず、大量破壊兵器の不拡散の観点から国際社会全体にとっても重要な問題である。北朝鮮は2005年に核兵器製造を公言し、2012年に改正された憲法において自らを「核保有国」である旨明記したのをはじめ、自らが核保有国であるとの主張を繰り返しているが、北朝鮮による核兵器の保有は断じて認められない。しかしながら、2013年2月、北朝鮮は国際社会からの自制要求を顧みず、核実験を行った5。北朝鮮による核実験は、北朝鮮が大量破壊兵器の運搬手段となりうる弾道ミサイルの長射程化などの能力増強を行っていることとあわせ考えれば、わが国の安全に対する重大な脅威であり、北東アジアおよび国際社会の平和と安定を著しく害するものとして断じて容認できない。
弾道ミサイルについては、既存の弾道ミサイルの配備、長射程化や固体燃料化6などのための研究開発が進められていると考えられるほか、北朝鮮による拡散についての指摘がなされている7。2012年12月の「人工衛星」と称するミサイル発射により、北朝鮮が弾道ミサイルの長射程化や精度向上に資する技術を進展させていることが示され、北朝鮮の弾道ミサイル開発は新たな段階に入ったと考えられる。北朝鮮の弾道ミサイル問題は、核問題ともあいまって、その能力向上の観点、移転&#12539;拡散の観点の双方から、北東アジアのみならず広く国際社会にとってもより現実的で差し迫った問題となっており、その動向が強く懸念される。

(1)核兵器
ア 六者会合などをめぐる主な動き
北朝鮮による核開発問題については、平和的な方法による朝鮮半島の検証可能な非核化を目標として、2003年8月以降、6回にわたって六者会合が開催されている。2005年の第4回六者会合では、北朝鮮による「すべての核兵器および既存の核計画」の放棄を柱とする共同声明が採択された。2006年には、北朝鮮による7発の弾道ミサイルの発射や核実験実施8、それらに対する国連安保理決議第1695号および第1718号の採択などもあり、協議は一時中断していたが、北朝鮮はその後第5回六者会合に復帰し、2007年10月の第6回六者会合では、北朝鮮が同年末までに寧辺(ヨンビョン)の核施設の無能力化を完了し、「すべての核計画の完全かつ正確な申告」を行うことなどが合意された。しかしながら、その合意内容の履行は完了しておらず9、六者会合は2008年12月以降、中断している。
北朝鮮は2009年にふたたびミサイル発射や核実験を行い10、国際社会は北朝鮮に対する追加的な措置を決定する国連安保理決議第1874号を同年6月に採択した。その後、南北の六者会合首席代表会談や米朝高官会談が行われた11が、六者会合の再開には至っておらず、2012年12月の北朝鮮による「人工衛星」と称するミサイル発射を受け、2013年1月には、北朝鮮に対するこれまでの決議による制裁を拡充&#12539;強化することなどを内容とする国連安保理決議第2087号が採択された。これ以降、北朝鮮は、六者会合および2005年の六者会合共同声明はもはや存在せず、今後の非核化に関する対話も否定する旨の声明を発表している。
2013年2月の北朝鮮による核実験実施を受け、同年3月には、対北朝鮮制裁の追加&#12539;強化を含む強い内容が含まれる国連安保理決議第2094号が採択された。これに前後して北朝鮮は、本決議の採択や米韓連合演習の実施に対し、1992年に韓国との間で交わされた朝鮮半島の非核化に関する共同宣言を完全に白紙化する旨の声明や、米国などに対する核先制攻撃を示唆する声明を発表するなど、強硬な主張を頻繁に繰り返している。北朝鮮は、自衛的手段としてやむを得ず核兵器を保有したとし、自らの核兵器保有を正当化しているほか、2013年3月に、核抑止力さえしっかりしていれば安心して経済建設と人民生活向上に集中できるとして、経済建設と核武力建設を並行して進めていくとの方針を決定し、同年4月には、「自衛的核保有国の地位をさらに強固にすることについての法」を定めるなど、核兵器開発を今後も進めていく姿勢を崩していない。
北朝鮮は、特に2013年2月の核実験実施以降、核抑止力の保有&#12539;強化に関する主張を繰り返している。一方で、北朝鮮の核問題に対する対応については、核兵器保有国としての地位の承認を前提としつつ、意図的に緊張を高めることによって米国などとの交渉を優位に進め、何らかの見返りを得ようとするいわゆる瀬戸際政策であるとの見方もある。北朝鮮の究極的な目標は体制の維持であると指摘されていることを踏まえれば、これらは相互に排他的なものではないとも考えられる。
北朝鮮の核問題の解決にあたっては、日米韓が緊密な連携を図ることが重要であることは言うまでもないが、六者会合の他の参加国である中国、ロシアなどの諸国や国連、国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)といった国際機関の果たす役割も重要である。
イ 核兵器計画の現状
北朝鮮の核兵器計画は、北朝鮮がきわめて閉鎖的な体制をとっていることもあり、その詳細について不明な点が多い。しかしながら、過去の核開発の状況が解明されていないことや、2006年10月、2009年5月に加え、2013年2月にも核実験を行ったことなどを考えれば、核兵器計画が相当に進んでいる可能性は排除できない12
核兵器の原料となり得る核分裂性物質13であるプルトニウムについて、北朝鮮はこれまで製造&#12539;抽出を数回にわたり示唆してきたほか14、2009年6月には、新たに抽出されるプルトニウムの全量を兵器化することを表明している15。北朝鮮は2013年4月、2007年10月の第6回六者会合で無能力化が合意された原子炉を含む、寧辺のすべての核施設を再整備、再稼働する方針を表明した。当該原子炉などの再稼働は、北朝鮮によるプルトニウム製造&#12539;抽出につながりうることから、その動向が強く懸念される。
また、同じく核兵器の原料となりうる高濃縮ウランについては、米国が2002年に、北朝鮮が核兵器用ウラン濃縮計画の存在を認めたと発表し、その後、北朝鮮は2009年6月にウラン濃縮活動への着手を宣言した。さらに北朝鮮は2010年11月に、訪朝した米国人の核専門家に対してウラン濃縮施設を公開し、その後、数千基規模の遠心分離機を備えたウラン濃縮工場の稼動に言及した。北朝鮮は、濃縮ウランは軽水炉の燃料として使用されるものであり、ウラン濃縮活動は核の平和利用にあたると主張しているが、ウラン濃縮に関する北朝鮮の一連の動きは、北朝鮮が、プルトニウムに加えて、高濃縮ウランを用いた核兵器開発を推進している可能性があることを示すものであると考えられる16
2013年1月に国連安保理決議第2087号が採択されて以降、北朝鮮は、核実験の実施を示唆する声明などを発表していた17。これに対し、わが国を含む国際社会は、北朝鮮に対し核実験を行わないよう強く求めてきたにもかかわらず、同年2月、北朝鮮は核実験を行った18。北朝鮮は、今回の核実験により、必要なデータの収集を行うなどして核兵器計画をさらに進展させた可能性が高い。
北朝鮮は、その核兵器計画の一環として、核兵器を弾道ミサイルに搭載するための努力をしているものと考えられる。一般に、核兵器を弾道ミサイルに搭載するための小型化には相当の技術力が必要とされているが、米国、ソ連、英国、フランス、中国が60年代までにこうした技術力を獲得したとみられることを踏まえれば、北朝鮮が、比較的短期間のうちに、核兵器の小型化&#12539;弾頭化の実現に至っている可能性も排除できず19、関連動向に注目していく必要がある。


(2)生物&#12539;化学兵器
北朝鮮の生物兵器や化学兵器の開発&#12539;保有状況については、北朝鮮の閉鎖的な体制に加え、生物&#12539;化学兵器の製造に必要な物資&#12539;機材&#12539;技術の多くが軍民両用であるため偽装も容易であることから、詳細については不明である。しかし、生物兵器については、1987年に生物兵器禁止条約を批准したものの、一定の生産基盤を有しているとみられている。また、化学兵器については、化学兵器禁止条約には加入しておらず、化学剤を生産できる複数の施設を維持し、すでに相当量の化学剤などを保有しているとみられている20


(3)弾道ミサイル
北朝鮮の弾道ミサイルは、北朝鮮がきわめて閉鎖的な体制をとっていることもあり、大量破壊兵器同様その詳細については不明な点が多いが、北朝鮮は、軍事能力強化の観点に加え、政治外交的観点や外貨獲得の観点21などから、弾道ミサイル開発に高い優先度を与えていると考えられる。
ア スカッド
北朝鮮は、80年代半ば以降、スカッドBやその射程を延長したスカッドC22を生産&#12539;配備するとともに、これらの弾道ミサイルを中東諸国などへ輸出してきたとみられている。
イ ノドン
90年代までに、北朝鮮は、ノドンなど、より長射程の弾道ミサイル開発に着手したと考えられる。すでに配備されていると考えられるノドンは、単段式の液体燃料推進方式の弾道ミサイルであると考えられる。射程は約1,300kmに達するとみられており、わが国のほぼ全域がその射程内に入る可能性がある。
ノドンはこれまで、1993年に行われた日本海に向けての発射において使用された可能性が高いほか、2006年7月に北朝鮮南東部のキテリョン地区から発射された計6発の弾道ミサイルは、スカッドおよびノドンであったと考えられる23。また、2009年7月、同地区から発射されたと考えられる計7発の弾道ミサイルについては、それぞれスカッドまたはノドンであった可能性がある24
ノドンの性能の詳細は確認されていないが、命中精度については、この弾道ミサイルがスカッドの技術を基にしているとみられていることから、たとえば、特定の施設をピンポイントに攻撃できるような精度の高さではないと考えられる。
ウ テポドン1
テポドン1は、ノドンを1段目、スカッドを2段目に利用した2段式の液体燃料推進方式の弾道ミサイルで、射程は約1,500km以上と考えられ、1998年に発射された弾道ミサイルの基礎となったと考えられる。北朝鮮は、現在では、さらに長射程のミサイルの開発に力点を移していると考えられ、テポドン1はテポドン2を開発するための過渡的なものであった可能性がある。
エ ムスダン
北朝鮮は現在、新型中距離弾道ミサイル(IRBM:Intermediate‐Range Ballistic Missile)「ムスダン」の開発を行っているものと考えられる。ムスダンは北朝鮮が90年代初期に入手したロシア製潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM:Submarine‐Launched Ballistic Missile)SS-N-6を改良したものであると指摘されており、スカッドやノドンと同様に発射台付き車両(TEL:Transporter‐Erector‐Launcher)に搭載され移動して運用されると考えられる。また、射程については約2,500~4,000kmに達するとの指摘があり、わが国全域に加え、グアムがその射程に入る可能性がある25
なお、閉鎖的な体制のために北朝鮮の軍事活動の意図を確認することはきわめて困難であること、全土にわたって軍事関連の地下施設が存在するとみられていることに加え、TELに搭載され移動して運用されると考えられることなどから、スカッド、ノドン、ムスダンなどのTEL搭載式ミサイルの発射については、その詳細な発射位置や発射のタイミングなどに関する個別具体的な兆候を事前に把握することは困難であると考えられる。
オ テポドン2
テポドン2は、1段目にノドンの技術を利用したエンジン4基を、2段目に同様のエンジン1基をそれぞれ使用していると推定されるミサイルである。射程については、2段式のものは約6,000kmとみられ、3段式である派生型については、ミサイルの弾頭重量を約1トン以下と仮定した場合、約1万km以上におよぶ可能性があると考えられる。テポドン2は、2006年7月、北朝鮮北東部沿岸地域のテポドン地区から発射され、発射数十秒後に高度数kmの地点で、1段目を分離することなく空中で破損し、発射地点の近傍に墜落したと考えられる。また、北朝鮮は2009年4月、「人工衛星」を打ち上げるとして、同地区からテポドン2または派生型を利用したとみられる発射を行った。この発射については、わが国の上空を飛び越えて3,000km以上飛翔し、太平洋に落下したと推定される。北朝鮮は、2012年4月にも、「人工衛星」を打ち上げるとして、北朝鮮北西部沿岸地域の東倉里(トンチャンリ)地区から、テポドン2または派生型を利用したとみられる発射を行ったが、ミサイルは1分以上飛翔し、数個に分かれて黄海に落下しており、発射は失敗したと考えられる26
同年12月、北朝鮮は再び「人工衛星」を打ち上げるとして、同地区からテポドン2派生型を利用した発射を行った。この発射については、落下物がいずれも北朝鮮が事前に設定した予告落下区域に落下し、3段目の推進装置とみられるものを含む物体は軌道を変更しながら飛翔を続け、地球周回軌道に何らかの物体を投入させたことなどが推定される27。これらのことから、この発射により、北朝鮮が多段階推進装置の分離技術など弾道ミサイルの長射程化に資する技術や、姿勢&#12539;誘導制御技術など精度の向上に資する技術を進展させていることが示されたと考えられる。特に長射程化に関する技術については、この発射などで検証された技術により北朝鮮が長射程の弾道ミサイルを開発した場合、いくつかの関連技術について依然明らかでない点はあるものの、その射程は米国本土の中部や西部などに到達する可能性があると考えられることから、大きく進展していると考えられる。
北朝鮮は、この発射後も、「人工衛星の打上げ」を継続するとともに、より強力な運搬ロケットを開発&#12539;発射していくと主張しており、今後も、長射程の弾道ミサイルの実用化に向けたさらなる技術的検証のため、「人工衛星」打上げを名目にした同様の発射を繰り返すなどして、長射程の弾道ミサイル開発を一層進展させる可能性が高い28
北朝鮮は、現在、以上のような弾道ミサイルに加え、射程約120kmと考えられる固体燃料推進方式の短距離弾道ミサイル「トクサ」の開発も行っていると考えられる29ほか、2012年4月に行われた閲兵式(軍事パレード)で登場した新型ミサイルは、長射程の弾道ミサイルの可能性があると考えられる30。また、既存の弾道ミサイルについても、長射程化などの改良努力が行われている可能性に注意を払っていく必要がある。
北朝鮮が発射実験をほとんど行うことなく、弾道ミサイル開発を急速に進展させてきた背景として、外部からの各種の資材&#12539;技術の北朝鮮への移転の可能性が考えられる。また、弾道ミサイル本体ないし関連技術の移転&#12539;拡散を行い、こうした移転&#12539;拡散によって得た利益でさらにミサイル開発を進めているといった指摘31や、北朝鮮が弾道ミサイルの輸出先で試験を行い、その結果を利用しているといった指摘もある。このほか、長射程の弾道ミサイルの発射実験は、射程の短いほかの弾道ミサイルの射程の延伸、弾頭重量の増加や命中精度の向上にも資するものであるため、2012年12月の発射も含め、テポドン2など長射程の弾道ミサイルの発射は、ノドンなど北朝鮮が保有するその他の弾道ミサイルの性能の向上につながるものと考えられる。
北朝鮮の弾道ミサイルについては、その開発&#12539;配備の動向のみならず、移転&#12539;拡散の観点からも懸念されており、引き続き注目していく必要がある。
(図表I-1-2-2&#12539;3参照)



3 軍事態勢
(1)全般
北朝鮮は、全軍の幹部化、全軍の近代化、全人民の武装化、全土の要塞化という四大軍事路線32に基づいて軍事力を増強してきた。
北朝鮮の軍事力は、陸軍中心の構成となっており、総兵力は約120万人である。北朝鮮軍は、現在も、依然として戦力や即応態勢を維持&#12539;強化していると考えられるものの、その装備の多くは旧式である。
一方、情報収集や破壊工作からゲリラ戦まで各種の活動に従事する大規模な特殊部隊を保有し、その勢力は約10万人に達すると考えられる33。また、北朝鮮の全土にわたって多くの軍事関連の地下施設が存在するとみられていることも、特徴の一つである。
(2)軍事力
陸上戦力は、約100万人を擁し、兵力の約3分の2をDMZ付近に展開していると考えられる。その戦力は、歩兵が中心であるが、戦車3,500両以上を含む機甲戦力と火砲を有し、また、240mm多連装ロケットや170mm自走砲といった長射程火砲をDMZ沿いに常時配備していると考えられ、首都であるソウルを含む韓国北部の都市&#12539;拠点などがその射程に入っている。
海上戦力は、約650隻約10.3万トンの艦艇を有するが、ミサイル高速艇などの小型艦艇が主体である。また、ロメオ級潜水艦約20隻のほか、特殊部隊の潜入&#12539;搬入などに使用されると考えられる小型潜水艦約70隻とエアクッション揚陸艇約140隻を有している。
航空戦力は、約600機の作戦機を有しており、その大部分は、中国や旧ソ連製の旧式機であるが、MiG-29戦闘機やSu-25攻撃機といった、いわゆる第4世代機も少数保有している。また、旧式ではあるが、特殊部隊の輸送に使用されるとみられているAn-2輸送機を多数保有している。
北朝鮮軍は、即応態勢の維持&#12539;強化などの観点から、現在も各種の訓練を活発に行っている。他方、深刻な食糧事情などを背景に、軍によるいわゆる援農活動なども行われているとみられている。

4 内政
(1)金正恩体制の動向
北朝鮮においては、2011年の金正日(キム&#12539;ジョンイル)国防委員会委員長死去後、金正恩氏が2012年4月までに朝鮮人民軍最高司令官、朝鮮労働党第1書記および国防委員会第1委員長に就任して事実上の軍&#12539;党&#12539;「国家」のトップとなり、短期間で金正恩体制が整えられた。体制移行後は、党関連会議の開催や決定事項などが多く公表されており34、党を中心とした「国家」運営を行っているとの指摘がある。その一方で、軍事力の重要性を強調しているほか、軍組織の視察などを多く行っていることなどから、金正恩国防委員会第1委員長は、引き続き軍事力を重視していくものと考えられる。
体制移行後、軍や内閣の高官を中心に、人事面で多くの変化がみられており、これは金正恩国防委員会第1委員長の権力基盤を強化する狙いがあるとも伝えられている。なお、このような人事面での変化にともなう混乱はみられず、また、北朝鮮では様々な「国家」的行事や金正恩国防委員会第1委員長による現地指導も整斉と行われていることから、体制は一定の軌道に乗っていると考えられる。一方、貧富の差の拡大や外国からの情報の流入などにともなう社会統制の弛緩などに関する指摘もなされており、体制の安定性という点から注目される。
(2)経済事情
経済面では、社会主義計画経済の脆弱性に加え、冷戦の終結にともなう旧ソ連や東欧諸国などとの経済協力関係の縮小の影響などもあり、北朝鮮は慢性的な経済不振、エネルギー不足や食糧不足に直面している。特に、食糧事情については、引き続き海外からの食糧援助に依存せざるを得ない状況にあるとみられている35
こうした経済面での様々な困難に対し、北朝鮮ではこれまでにも、限定的な改善策や一部の経済管理システムの変更が試みられてきたほか、他国との経済協力プロジェクトも行われている模様である36。現在も、金正恩国防委員会第1委員長が経済状況改善の必要性をたびたび強調するなど、北朝鮮は経済の立て直しを重要視しているとみられる37。一方、北朝鮮が現在の統治体制に影響を与えるような構造的な改革を行う可能性は低いと考えられることから、経済の現状を根本的に改善することには、様々な困難がともなうと考えられる。

5 対外関係
(1)米国との関係
米国は、他国と緊密に協力しつつ北朝鮮の核計画廃棄に取り組む姿勢を明らかにし、六者会合を通じた核問題の解決を図ろうとしている。六者会合の再開については、米国は一貫して、北朝鮮が2005年の六者会合共同声明の遵守や南北関係の改善のための具体的な措置を講じることが必要との立場を示している。
これに対し北朝鮮は、米国の北朝鮮に対する敵視政策や米朝間の信頼関係の欠如が朝鮮半島の平和と非核化を妨げているなどとして米国を非難し、信頼関係構築のため、まず米朝間における平和協定締結が必要だと主張していた38。このように、以前から米朝の立場には隔たりがみられていたが、さらに2013年1月の国連安保理決議第2087号採択以降、北朝鮮は、米国の敵視政策がより危険な段階に入っているとして、地域の平和と安全を保障するための対話の余地は残しつつ、世界の非核化が実現される以前の朝鮮半島の非核化は不可能であり、朝鮮半島の非核化のための対話は今後なくなるであろうとしている。また、北朝鮮は同年3月から4月まで実施されていた米韓連合演習などに強く反発し、朝鮮軍事休戦協定の完全白紙化、米国への核先制攻撃の示唆などの強硬な主張を繰り返しつつ39、米国による対北朝鮮政策の変更を強く主張している。


(2)韓国との関係
南北関係は、2010年3月の韓国哨戒艦沈没事件40、同年11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件41といった南北間の軍事的な緊張をもたらす事案が発生するなど、李明博(イ&#12539;ミョンバク)政権下では関係が悪化していた。2012年12月の韓国大統領選で朴槿恵(パク&#12539;クネ)候補が当選した後、北朝鮮は、金正恩国防委員会第1委員長が2013年1月の「新年の辞」において南北の対決状態の解消を呼びかけるなど、南北対話に前向きとも取れる姿勢を見せていた。しかし、同月の国連安保理決議第2087号採択後は、韓国を強く牽制する主張を繰り返しており42、同年3月から4月にかけての米韓連合演習実施などに対しては、南北の不可侵に関する全ての合意の全面無効化などさらに強硬な主張を行い、韓国による敵対行為などが続く限り南北対話や南北関係改善はないとしている43

(3)中国との関係
中国との関係では、1961年に締結された「中朝友好協力および相互援助条約」が現在も継続している44現在、中国は北朝鮮にとって最大の貿易相手国であり、2012年における中国と北朝鮮の貿易総額は過去最高を更新した。なお、2011年における北朝鮮の貿易総額に占める中国の割合は70%を超えており、北朝鮮による中国依存は年々高まっていると指摘されている。また、金正恩国防委員会第1委員長が2012年8月および11月に、北朝鮮を訪問した中国高官と会談するなど、金正恩体制への移行後も、中朝関係は政治&#12539;経済を中心とした様々な分野において緊密であると考えられる45北朝鮮の核問題については、中国は朝鮮半島の非核化や六者会合の早期再開の支持を表明している。2013年2月の北朝鮮による核実験実施後には、核実験を厳しく非難する声明を発表しているが、同時に、国連安保理の反応は慎重かつ適度でなければならないとするなど、関係各国の冷静な対応を継続して呼びかけており、同年3月以降の北朝鮮による一連の強硬な主張に対しても、ほぼ一貫して同様の姿勢を継続している。同年5月には、崔竜海(チェ&#12539;リョンヘ)朝鮮人民軍総政治局長が金正恩国防委員会第1委員長の特使として中国を訪問し、習近平(しゅう&#12539;きんぺい)中国共産党総書記と会談しており、北朝鮮と中国の関係については、今後とも注目していく必要がある。


(4)ロシアとの関係
ロシアとの関係は、冷戦の終結にともない疎遠になっていたが、2000年には「露朝友好善隣協力条約」が署名された462011年8月には、金正日国防委員会委員長(当時)がロシアを訪問し、9年ぶりに露朝首脳会談が行われ、ガス&#12539;パイプライン事業における協力などを進めることで合意したほか、金正恩体制への移行後の2012年9月には、北朝鮮のロシアに対する債務のうち、90%を帳消しとする旨の協定に調印するなど、露朝間は友好関係を保っている。一方でロシアは、特に2013年3月以降の一連の強硬な主張に対し、北朝鮮を非難している。
北朝鮮の核問題については、ロシアは、中国と同様、朝鮮半島の非核化や六者会合の早期再開の支持を表明している。2013年2月の北朝鮮による核実験実施後には、核実験を非難する声明を発表しているが、同時に、北朝鮮との正常な貿易&#12539;経済関係に影響を及ぼしかねない制裁措置には反対するとも表明している。


(5)その他の国との関係
北朝鮮は、1999年以降、相次いで西欧諸国などとの関係構築を試み、欧州諸国などとの国交の樹立47やARF(ASEAN Regional Forum)閣僚会合への参加などを行ってきた。また、イランやシリアといった国々との間では、北朝鮮からの武器輸出や武器技術移転を含む軍事分野での協力関係が伝えられている。


1)北朝鮮はこれまで、故金日成(キム&#12539;イルソン)国家主席の生誕100周年にあたる12(平成24)年に「強盛大国」の扉を開くとしてきたが、最近では「強盛国家」との表現も用いられている。
2)朝鮮労働党機関紙「労働新聞」および朝鮮労働党機関誌「勤労者」共同論説(1999年6月16日)
3)北朝鮮では、1994年まで、毎年1月1日に金日成国家主席による「新年の辞」の演説が行われてきたが、同国家主席死去後の1995以降2012年までの間は、これに代わり、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」、朝鮮人民軍機関紙「朝鮮人民軍」、金日成社会主義青年同盟機関紙「青年同盟」の3紙による「新年共同社説」が発表されていた。
4)このほか、サーマン在韓米軍司令官は、2012年10月の米陸軍協会における講演で、「北朝鮮は、かなり高いサイバー戦能力を保持しており、その能力を高め続けている」と述べ、北朝鮮が近年、サイバー空間における攻撃能力の増強に力を入れているとの認識を示している。また、2013年1月、韓国警察庁は、2012年6月に発生した韓国報道機関へのサイバー攻撃に関し、攻撃元が北朝鮮の使用するIPアドレスであったとの捜査結果を発表しているほか、2013年4月、韓国の官民軍合同対応チームは、同年3月に発生した韓国報道機関や金融機関へのサイバー攻撃に関し、北朝鮮の関与が推定されるとする中間調査結果を発表している。
5)2013年2月12日午前11時59分頃、北朝鮮付近を震源とする、通常の波形とは異なる自然地震ではない可能性のある地震波を気象庁が観測し、また、同日、朝鮮中央通信を通じ北朝鮮が核実験を実施し成功させた旨公表があった。これらを踏まえ、政府において、米国や韓国などと連絡を取りつつ、事実関係の確認を行った。政府としては、以上の諸情報を総合的に勘案した結果、北朝鮮が核実験を実施したものと判断した。
6)一般的に、固体燃料推進方式のミサイルは、推進剤が前もって装填されていることから即時発射が可能であり発射の兆候が事前に察知されにくいこと、保管や取扱いが容易であることなどの点で、液体燃料推進方式のミサイルよりも軍事的に優れているとされる。
7)北朝鮮による大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散活動について、2013年3月の米国家情報長官「世界脅威評価」は、「北朝鮮が弾道ミサイルや関連物資をイランやシリアを含む複数の国家に輸出していることや、(2007年に破壊された)シリアにおける原子炉の建設を援助したことは、北朝鮮の拡散活動の範囲を示すものである」と指摘している。また、2013年5月に米国防省が公表した「朝鮮民主主義人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する報告」は、北朝鮮が国連安保理決議に基づく各国の取組を迂回するため、複数のダミー企業などを介した輸送などのさまざまな手法を利用している旨指摘している。
8)2006年10月27日、わが国が収集した情報とその分析ならびに米国や韓国の分析などをわが国独自で慎重に検討&#12539;分析した結果、政府として、北朝鮮が核実験を行った蓋然性が極めて高いものと判断するに至った。
9)2008年6月、北朝鮮は核計画の申告を提出したが、2013年5月現在、検証の具体的な枠組に関する合意は得られていない。
10)政府としては、2009年5月25日に北朝鮮が朝鮮中央通信を通じて地下核実験を実施し成功させた旨を公表したことおよび気象庁が通常の波形とは異なる北朝鮮の核実験による可能性のある地震波を探知したことから、北朝鮮が同日に核実験を行ったものと考えている。
11)2012年2月、北朝鮮は、同月に行われた米朝高官会談の結果として、寧辺(ヨンビョン)におけるウラン濃縮活動の一時停止、核実験の実施猶予、長距離ミサイル発射の実施猶予などを表明したが、同年4月の北朝鮮による「人工衛星」と称するミサイル発射に対し、米国が実施を予定していた栄養支援の見合わせを表明し、国連安保理が発射を強く非難する議長声明を発出すると、北朝鮮はこれらに反発し、合意にはもはや拘束されないことを宣言した。
12)2012年1月の米国家情報長官「世界脅威評価」は、「(2006年と2009年の実験は)北朝鮮が核兵器を製造したとのわれわれの評価を補強するものである」と指摘している。
13)プルトニウムは、原子炉でウランに中性子を照射させることで人工的に作り出され、その後、再処理施設において使用済の燃料から抽出し、核兵器の原料として使用される。一方、ウランを核兵器に使用する場合は、自然界に存在する天然ウランから核分裂を起こしやすいウラン235を抽出する作業(濃縮)が必要となり、一般的に、数千の遠心分離機を連結した大規模な濃縮施設を用いてウラン235の濃度を兵器級(90%以上)に高める作業が行われる。
14)北朝鮮は2003年10月に、プルトニウムが含まれる8,000本の使用済み燃料棒の再処理を完了したことを、2005年5月には、新たに8,000本の使用済み燃料棒の抜き取りを完了したことをそれぞれ発表している。
15)シャープ在韓米軍司令官(当時)は、2011年4月の下院軍事委員会で「いくつかの核兵器に十分な量のプルトニウムを保有していると評価している」と証言している。また、韓国の「2012国防白書」は、北朝鮮が40kg余りのプルトニウムを保有していると推定している。
16)2012年1月の米国家情報長官「世界脅威評価」は、「北朝鮮の(ウラン濃縮施設の)公開は、北朝鮮がこれまでウラン濃縮能力を追求してきたとの米国の長年にわたる評価を裏付けるものである」と指摘している。また、韓国の「2012国防白書」においては、「2009年4月の外務省報道官の「ウラン濃縮」についての言及や2010年11月のウラン濃縮施設の公開などを考慮すると、北朝鮮は高濃縮ウラン(HEU:Highly Enriched Uranium)プログラムを行っていると評価される」との指摘がなされている。
17)たとえば、2013年1月24日には、北朝鮮の国防委員会が、「われわれが引き続き発射することになる各種の衛星と長距離ロケットも、われわれが行う高い水準の核実験も、わが人民の不倶戴天の敵である米国を狙うようになるということを隠さない」との声明を発表している。
18)北朝鮮は、「第3回地下核実験を成功裏に行った」「以前とは異なり、爆発力が大きいながらも小型化&#12539;軽量化された原子爆弾を使用し、高い水準で安全かつ完璧に行われた」「多種化されたわれわれの核抑止力の優秀な性能が物理的に誇示された」などと発表している。
19)2010年2月に米国防省が公表した「弾道ミサイル防衛見直し」(BMDR:Ballistic Missile Defense Review)は、「われわれは、北朝鮮が安全保障戦略を今後10年間変更しない場合、北朝鮮が立証された運搬システムに核弾頭を搭載することが可能となるということを想定しなくてはならない」と指摘している。
20)たとえば、韓国の「2012国防白書」は、「(北朝鮮は)1980年代から化学兵器を生産し始め、約2,500~5,000トンの様々な化学兵器を全国に分散した施設に貯蔵していると推定される。また、北朝鮮は炭疽菌(たんそきん)、天然痘(てんねんとう)、ペスト、コレラ、出血熱など様々な種類の生物兵器を独自に培養し、生産しうる能力を保有していると推定される」と指摘している。また、2013年5月の米国防省「朝鮮民主主義人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する報告」は、「北朝鮮は、火砲や弾道ミサイルを含むさまざまな通常兵器を改良することにより、化学兵器を使用できる可能性がある」と指摘している。
21)北朝鮮は自ら、「外貨稼ぎを目的」に弾道ミサイルを輸出していると認めている。(1998年6月16日「朝鮮中央通信」論評、2002年12月13日北朝鮮外務省報道官談話)
22)スカッドBおよびスカッドCの射程は、それぞれ約300km、約500kmとみられている。
23)北朝鮮が2006年7月に発射した計7発の弾道ミサイルのうち、3発目については北朝鮮北東部沿岸地域のテポドン地区から発射されたテポドン2であったと考えられる。その他のスカッドおよびノドンの発射については、たとえば、夜明け前から発射を開始したこと、短時間のうちに異なる種類の弾道ミサイルを連続して発射したと考えられること、発射台付き車両(TEL:Transporter-Erector-Launcher)を運用して発射したと考えられること、射程の異なる弾道ミサイルを一定の範囲に着弾させたと考えられることなど、より実戦的な特徴を有しており、北朝鮮が弾道ミサイル運用能力を向上させてきたことがうかがえる。
24)発射された計7発の弾道ミサイルは、いずれも2009年6月22日に北朝鮮より連絡を受け、海上保安庁が航行警報を発出した軍事射撃訓練区域内に落下したのではないかと推測される。
25)シャープ在韓米軍司令官(当時)は、2009年3月の上院軍事委員会で「北朝鮮は現在、沖縄やグアム、アラスカを攻撃することが可能な新型の中距離弾道ミサイルを配備しつつある」と証言した。また、韓国の「2012国防白書」は、「北朝鮮は、2007年に射程3,000km以上のムスダンミサイルを作戦配備したことにより、朝鮮半島を含む日本やグアムなどの周辺国に対する直接的な打撃能力を保有することになった」旨指摘している。
26)北朝鮮は発射後、「地球観測衛星の軌道進入は成功しなかった」と発表し、発射が失敗したことを認めている。
27)地球周回軌道に投入されたと推定される何らかの物体が、何らかの通信や、地上との信号の送受信を行っていることは確認されておらず、当該物体が人工衛星としての機能を果たしているとは考えられない。
28)今後、北朝鮮は、長射程の弾道ミサイルの実用化に向け、より高高度から高速で大気圏に再突入する弾頭を高熱から保護する技術、精密誘導技術、発射施設を地下化&#12539;サイロ化するといった抗たん化技術などの追求を図っていく可能性がある。
29)ベル在韓米軍司令官(当時)は、2007年3月の下院軍事委員会で「北朝鮮は、新型で固体燃料推進方式の短距離弾道ミサイルを開発中である。最近では、2006年3月、このミサイルを成功裏に試験発射した。一旦運用可能な状態になれば、このミサイルは現行のシステムに比し、より機動的かつ急速展開が可能で、一層短い準備期間での発射が可能となるだろう」と証言した。
30)クラッパー米国家情報長官は、2013年3月の上院情報特別委員会で「(北朝鮮は)昨年4月、危険な移動式の大陸間弾道ミサイルとみられるものを登場させた。まだ試験はなされていないものの、われわれは、北朝鮮がこのシステムの配備に向けた初期段階の措置に既に着手していると考えている」と証言した。
31)たとえば、ノドンと、イランのシャハーブ3やパキスタンのガウリの形状には類似点が見受けられ、ノドン本体ないし関連技術の移転などが行われた可能性が指摘されている。
32)1962年に朝鮮労働党中央委員会第4期第5回総会で採択された。
33)北朝鮮の特殊部隊には軍関係のものと朝鮮労働党関係のものがあるとされていたが、2009年にこれらの組織が統合され、軍の下に「偵察総局」が設置されたと伝えられており、2013年3月には、北朝鮮の朝鮮中央放送が、金英哲(キム&#12539;ヨンチョル)大将を偵察総局長として報じたことから、同組織の存在が公式に確認された。なお、サーマン在韓米軍司令官は、2012年10月の米陸軍協会における講演で「北朝鮮は、世界最大の特殊部隊を保有しており、その兵力は6万人以上に上る」と述べているほか、韓国の「2012国防白書」は、「北朝鮮軍の特殊戦兵力は現在、20万人余りに達すると評価される」と指摘している。
34)たとえば、2013年2月には、朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議が開催され、金正恩国防委員会第1委員長が、国の安全と自主権を守っていく上で綱領的な指針となる重要な結論を述べた旨報道されたが、この会議の開催について報道されたのは初めてである。
35)2012年11月、国連世界食糧計画(WFP:The United Nations World Food Programme)および国連食糧農業機関(FAO:Food and Agriculture Organization of the United Nations)は、2012年11月から2013年10月までの主食の食糧総生産量を580万トンと予想し、穀物の輸入必要量を50.7万トンと推定している。
36)たとえば、2009年末にはいわゆるデノミネーション(貨幣の呼称単位切下げ)などが行われたが、物資の供給不足などのため物価が高騰するなど経済が混乱し、これにともない社会不安が増大したとの指摘がある。他国との関係では、2011年6月に北朝鮮北東部の羅先(ラソン)経済貿易地帯と、北朝鮮北西部の黄金坪(ファングムピョン)&#12539;威化島(ウィファド)経済地帯の中朝共同開発プロジェクトの着工式が行われている。
37)2012年以降、北朝鮮は、一部の工場、協同農場などにおいて独自に経営管理を行う新たな経済措置を試験的に行っていると伝えられているが、その実施状況などの詳細については不明である。
38)たとえば、北朝鮮は2012年11月12日付の労働新聞において、「米朝間の敵対関係を解消し、核問題を解決して朝鮮半島ひいては北東アジアの平和と安定を成し遂げるためにはまず、朝鮮休戦協定を平和協定に変えなくてはならない」と主張していた。
39)一連の主張の中には、「(米軍の前哨基地である)横須賀、三沢、沖縄[琉球、グアムはもちろん、米本土もわれわれの射程圏内にある」(2013年3月31日付「労働新聞」)、「日本の全領土は、われわれの報復攻撃対象となることを免れられない(その後に、東京、大阪、横浜、名古屋、京都の地名を列挙)」(同年4月10日付「労働新聞」)など、在日米軍基地や日本の都市を列挙しつつ、北朝鮮による攻撃圏内にあるなどとするものもみられた。
40)2010年3月26日、韓国海軍の哨戒艦「天安(チョナン)」が北方限界線(NLL:Northern Limit Line)付近の黄海において沈没し、同年5月、米国、オーストラリア、英国、スウェーデンの専門家を含む軍民の合同調査団は、同艦は北朝鮮の小型潜水艦艇から発射された魚雷による水中爆発によって発生した衝撃波とバブル効果により切断され沈没したとの調査結果を発表した。
41)2010年11月23日、北朝鮮は、韓国軍が黄海に面する延坪島沖において射撃訓練を行っているさなか、延坪島に向けて砲撃を行い、韓国側に民間人を含む死傷者が発生した。
42)2013年1月には、北朝鮮の祖国平和統一委員会が、韓国に対し、「国連の制裁に積極的に加担する場合、強力な物理的対応措置がとられるだろう」との声明を発表したほか、同年2月には、労働新聞が、「(核実験への対抗措置として韓国が制裁を強化すれば)無慈悲な報復を引き起こす」との論説を発表している。
43)2013年4月、北朝鮮は、南北経済協力事業として2004年に操業を開始した開城(ケソン)工業団地(韓国との軍事境界線に近い北朝鮮南西部の開城市に立地。多数の韓国企業が、北朝鮮労働者を雇用して操業)について、韓国人関係者の立入りを禁止し、その後、北朝鮮労働者を全て撤収させ、事業を暫定的に中断すると発表した。2013年5月には韓国側関係者も全て団地から撤収しており、同月現在、操業再開の見通しは立っていない。
44)締約国(中国、北朝鮮)の一方が軍事攻撃を受け、戦争状態に陥った際には、他方の締約国は、直ちに全力をあげて軍事およびその他の支援を与える旨の規定が含まれている。
45)2012年8月には王家瑞(おう&#12539;かずい)中国共産党中央対外連絡部長が、11月には李建国(り&#12539;けんこく)中国共産党政治局委員が、それぞれ北朝鮮を訪問し、金正恩国防委員会第1委員長と会談している。また、同年8月には、張成沢(チャン&#12539;ソンテク)国防委員会副委員長が中国を訪問し、羅先経済貿易地帯と、北朝鮮西部の黄金坪&#12539;威化島経済地帯の中朝共同開発プロジェクトに関する「中朝共同指導委員会」に出席したほか、胡錦濤(こ&#12539;きんとう)国家主席(当時)などと会談した。
46)締約国(ロシア、北朝鮮)の一方に対する軍事攻撃の際には、他方の締約国は、直ちにその保有するすべての手段をもって軍事的またはその他の援助を与える旨の従前の条約(ソ朝友好協力および相互援助条約)に存在した規定がなくなった。
47)たとえば、英国は2000年(ドイツは2001年にそれぞれ北朝鮮と国交を樹立した。

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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 16:14:53 | 显示全部楼层
2 韓国&#12539;在韓米軍
1 全般
韓国では、2013年2月に朴槿恵(パク&#12539;クネ)政権が発足した。朴政権は、南北関係の改善には対話を通じた信頼構築が最も重要という姿勢を示している。核問題については、北朝鮮の核開発は断じて容認できず、国際社会とも協調しつつ対応するとしているが、同時に、北朝鮮の非核化が進めば経済協力を推進するという「朝鮮半島信頼プロセス」の履行を目指している。また、韓国は北朝鮮の軍事的挑発行動に対しては断固として対処していくとし、北朝鮮の脅威を抑止&#12539;対処するための確固たる態勢を構築することの重要性を強調している。
韓国には、朝鮮戦争の休戦以降、現在に至るまで陸軍を中心とする米軍部隊が駐留している。韓国は、米韓相互防衛条約を中核として、米国と安全保障上きわめて密接な関係にあり、在韓米軍は、朝鮮半島における大規模な武力紛争の発生を抑止する上で大きな役割を果たしている。現在、両国は戦時作戦統制権1の韓国への移管などを通じて「韓国軍が主導し米国が支援する」新たな共同防衛体制への移行を進めており、これがどのように進展していくか注目していく必要がある。

2 韓国の国防政策&#12539;国防改革
韓国は、全人口の約4分の1が集中する首都ソウルがDMZから至近距離にあるという防衛上の弱点を抱えている。韓国は、「外部の軍事的脅威と侵略から国家を守り、平和的統一を後押しし、地域の安定と世界平和に寄与する」との国防目標を定めている。この「外部の軍事的脅威」の一つとして、かつては国防白書において北朝鮮を「主敵」と位置づけていたが、現在では、「北朝鮮政権と北朝鮮軍は韓国の敵」との表現が用いられている2
韓国国防部は、2005年、「兵力中心の量的軍構造」から「情報&#12539;知識中心の質的軍構造」への転換のための計画として、「国防改革基本計画2006-2020」を発表した3。2009年には、北朝鮮によるミサイル発射や核実験実施といった情勢の変化などを踏まえ、兵力削減規模の縮小や、北朝鮮の核およびミサイル施設への先制攻撃の可能性などについて明示した「国防改革基本計画2009-2020」を発表した。さらに、2010年の韓国哨戒艦沈没事件や延坪島砲撃事件などを受け、2012年8月には、北朝鮮への抑止能力の向上や、軍のさらなる効率化を盛り込んだ「国防改革基本計画2012-2030」が発表されており、現在、具体化に向けた取組が行われている4

3 韓国の防衛力整備
韓国の軍事力については、陸上戦力は、陸軍22個師団と海兵隊2個師団、合わせて約55万人、海上戦力は、約190隻約19.3万トン、航空戦力は、空軍&#12539;海軍を合わせて、作戦機約620機からなる。
韓国軍は、北朝鮮の脅威はもとより、あらゆる形態の脅威に対応できる全方位体制を確立するとして、近年では、海&#12539;空軍を中心とした近代化に努めている。海軍は、潜水艦、大型輸送艦、国産駆逐艦などの導入を進めており、2010年2月には、韓国初の機動部隊が創設されている5。空軍は2002年以降進めてきたF-15K戦闘機の導入を2012年4月に完了させており、ステルス機能を備えた次世代戦闘機事業の推進も予定されている。
2012年10月、韓国政府は、北朝鮮の武力挑発への抑止能力を高めるため、自ら保有する弾道ミサイルの射程などについて定めたミサイル指針について、弾道ミサイルの最大射程を300kmから800kmに延伸することなどを内容とする改定を行ったことを発表した。さらに、北朝鮮の核&#12539;ミサイルの脅威に対応するため、ミサイル能力の拡充6、ミサイル能力を発揮するための一連のシステムの構築7、ミサイル防衛システム構築の進展8などに取り組むこととしている。
また、韓国は近年、装備品の輸出を積極的に図っており、2012年の輸出実績は23.5億ドルに達し、輸出品目についても通信電子や艦艇など多様化を遂げているとされている。
なお、2013年度の国防費(本予算)は、対前年度比約4.2%増の約34兆3,453億ウォンとなっており、2000年以降14年連続で増加している。
(図表I-1-2-4参照)


4 米韓同盟&#12539;在韓米軍
米韓両国は近年、米韓同盟を深化させるため様々な取組を行っている。2009年6月の米韓首脳会談では、米韓同盟の範囲を朝鮮半島からグローバルなものに広げるとともに、両国間の協力を軍事面以外の他の領域に広げる「包括的戦略同盟」化を盛り込んだ「米韓同盟のための共同ビジョン」が合意された。さらに、2010年10月の第42回米韓安保協議会議において、米韓同盟の未来ビジョンを実現するためのガイドラインである「国防協力指針」などが盛り込まれた共同声明が発表されるなど、関係の強化が図られている92013年5月の米韓首脳会談では、米韓相互防衛条約締結60周年を記念した共同宣言が発出され、21世紀の安全保障上の課題に対応するため、同盟強化を継続することなどが確認された。
これに加え、米韓両国は、在韓米軍の再編や米韓連合軍に対する戦時作戦統制権の韓国への移管などの問題に取り組んでいる。在韓米軍の再編問題については、2003年、ソウル中心部に所在する米軍龍山(ヨンサン)基地のソウル南方の平沢(ピョンテク)地域への移転や、漢江(ハンガン)以北に駐留する米軍部隊の漢江以南への再配置などが合意されたが、平沢地域への移転は、遅延している模様である10。また、2015年12月1日に予定されている戦時作戦統制権の韓国への移管11については、2010年10月、移管のためのロードマップである「戦略同盟2015」が策定されている。在韓米軍再編や戦時作戦統制権の移管完了後、韓国防衛は、従来の「米韓軍の連合防衛体制」から「韓国軍が主導し米軍が支援する新たな共同防衛体制」に移行することとなり、在韓米軍の性質にも大きな影響を与えるものと考えられる。

5 対外関係

(1)中国との関係
韓国と中国との間では、艦艇の相互訪問が行われるなど軍事交流を進展させるための努力がなされている。2008年5月の韓中首脳会談において、両国は韓中関係を従来の「全面的協力パートナーシップ」から「戦略的協力パートナーシップ」に格上げすることに合意した。2012年7月の韓中国防戦略対話では、軍事交流に関する覚書の締結や、両国の国防当局間のホットライン設置の合意がなされている。


(2)ロシアとの関係
韓国とロシアとの間では、近年、軍高官の交流などの軍事交流が行われているほか、軍事技術、防衛産業、軍需分野の協力についても合意されている。2008年9月の韓露首脳会談では、今後の両国関係を「戦略的協力パートナーシップ」に格上げすることで合意した。2012年3月には初の韓露国防戦略対話が開催され、同対話を定例化することで合意している。


(3)海外における活動
韓国は、1993年にソマリアに工兵部隊を派遣して以来現在まで、様々な国連平和維持活動(PKO:UN Peacekeeping Operations)に参加している。2009年12月には、PKOへの派遣要員を現行の水準から大幅に拡大する方針を明らかにし12、2010年7月には海外派遣専門部隊である「国際平和支援団」を創設している。
韓国は、アフガニスタンで活動している韓国の地方復興チーム(PRT:Provincial Reconstruction Team)要員の警護を目的として軍部隊を派遣しているほか、海軍艦艇をソマリア沖&#12539;アデン湾に派遣し、韓国船舶の護送および連合海上部隊(CMF:Combined Maritime Forces)の海上安全活動(MSO:Maritime Security Operation)に従事させている。2011年1月からは、アラブ首長国連邦(UAE:United Arab Emirates)軍特殊部隊に対する教育訓練支援、共同訓練、有事における韓国国民の保護などを目的として、韓国特殊戦部隊を同国に派遣している13。さらに、2012年9月、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS:United Nations Mission in the Republic of South Sudan)への部隊派遣が国会の同意により決定され、2013年3月以降、工兵部隊を中心とする部隊を南スーダンに派遣している。


1)米韓両国は、朝鮮半島における戦争を抑止し、有事の際に効果的な連合作戦を遂行するための米韓連合防衛体制を運営するため、1978年より、米韓連合軍司令部を設置している。米韓連合防衛体制のもと、韓国軍に対する作戦統制権については、平時の際は韓国軍合同参謀議長が、有事の際には在韓米軍司令官が兼務する米韓連合軍司令官が行使することになっている。
2)韓国の「2012国防白書」では、北朝鮮について、「大規模な通常戦力、核&#12539;ミサイルなどの大量破壊兵器の開発と増強、哨戒艦攻撃&#12539;延坪島砲撃のような継続的な武力挑発などを通じ、韓国の安全保障に深刻な脅威を加えている。このような脅威が継続する限り、その遂行主体である北朝鮮政権と北朝鮮軍は、韓国の敵である」と表現されている。
3)2006年に成立した国防改革に関する法律において、国防改革基本計画は、その策定後も、情勢の変化や国防改革推進実績を分析&#12539;評価し、修正&#12539;補完を行うことが義務づけられている。
4)韓国国防部は、韓国軍を朝鮮半島の作戦環境に一致する「オーダーメード型の軍構造」に転換するため、北西島嶼地域の対処能力の大幅拡充、戦時作戦統制権の移管に備えた上部指揮構造の改編、兵力削減と部隊改編の漸進的な推進、ミサイルおよびサイバー戦対応能力の大幅拡充などを行うとしているほか、「高効率の先進国防運営体制」を構築するため、効率化の推進、人材管理体系の改編、軍の福祉の向上および将兵の服務環境の改善を行うとしている。
5)韓国初の機動部隊である第7機動戦団の任務は、シーレーンの防衛、北朝鮮に対する抑止、国家の対外政策の支援などとされている。
6)2012年4月、韓国国防部は、北朝鮮全域を攻撃可能な巡航ミサイルなどを独自開発し、実戦配備していると発表した。また、2013年2月には、2012年10月のミサイル指針改定により保有が可能となった射程800kmの弾道ミサイルの開発を加速すると表明したほか、艦艇および潜水艦から発射され、北朝鮮全域を攻撃可能な巡航ミサイルを実戦配備していると発表した。
7)韓国国防部はこのシステムを「Kill Chain」と呼称しており、ミサイル発射兆候の探知から識別、攻撃の決心、攻撃までが即時に可能なシステムとしている。
8)韓国は、2006年12月、独自のミサイル防衛体系(KAMD:Korea Air Missile Defense)の推進を表明しており、2015年までを目標にシステムの構築を進めていると伝えられている。一方、韓国国防部は、米国のミサイル防衛システムへの参加を否定し、あくまで独自のシステムを構築することを強調しており、米韓の脅威認識の違いなどがその理由として伝えられている。
9)これらのほか、2010年7月および2012年6月には、米韓外務&#12539;防衛閣僚協議(「2+2」)が開催されており、2012年6月の協議では、両国は北朝鮮のミサイル脅威に対する防衛態勢強化のための方策の追求、サイバー問題に関する対話メカニズムの設置などで合意した。
10)米国は、在韓米軍に関し、漢江以南への再配置を2段階で進めるとの合意(2003年6月)や約3万7,500人の人員のうち1万2,500人を削減するとの合意(2004年10月)などに基づき、その態勢の変革を進めているが、人員については、2008年4月の米韓首脳会談において、現在の2万8,500人を適切な規模として維持することで合意された。
11)2007年、両国は2012年4月に米韓連合軍司令部を解体し戦時作戦統制権を韓国に移管することとしたが、2010年6月、移管時期を2015年12月1日に延期することで合意した。韓国国防部は、移管時期延期の背景について、<1>北朝鮮の軍事的脅威の増加など朝鮮半島の安全保障環境が変化したこと、<2>2012年は韓国大統領選挙をはじめ朝鮮半島周辺諸国で指導部が交代する時期であること、<3>移管時期の調整が必要であるという国民的な要求と、将来の軍事能力を具備するための財政条件等を反映したことなどを挙げている。
12)韓国は、韓国軍のPKOへの参加を拡大するための法的&#12539;制度的基盤を整えるとしており、2009年12月には、国際連合平和維持活動参加に関する法律を制定している。
13)韓国は、2009年12月に原子力発電所の建設をUAEから受注しており、2011年3月には、李明博大統領(当時)出席のもと、UAEにおいて原子力発電所の起工式が行われている。

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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-12 21:56:00 | 显示全部楼层
第3節 中国
1 全般
中国は、14もの国と接する長い国境線と長い海岸線に囲まれた広大な国土に世界最大の人口を擁する国家であり、また、国内に多くの異なる民族、宗教、言語などを抱える国でもある。少数民族の多くは国境地域に居住しており、国境外に同胞民族が居住していることも多い。中国は、長い歴史を有し、固有の文化、文明を形成、維持してきている。この中国特有の歴史に対する誇りと19世紀以降の半植民地化の経験が、中国国民の国力強化への強い願いとナショナリズムを生んでいる。さらに、中国は、社会主義体制をとる国家であり、中国共産党による指導のもと、社会主義近代国家の建設を目指している。
近年、中国は、貿易額を大幅に増大させ、外国からの投資も活発に行われ、高い経済成長を維持している1ほか、様々な国際会議の場などにおいてその動向が大いに注目されるなど、国際社会における中国の存在感はますます高まっている。また、中国は、非伝統的安全保障分野における取組においても一定の役割を果たしており、国連平和維持活動(PKO:UN Peacekeeping Operations)ミッションへ要員を積極的に派遣しているほか、ソマリア沖&#12539;アデン湾における海賊対処のために継続的に艦艇を派遣するなど、国際社会から高い評価を受けている。
中国は、その大国としての責任を認識し、国際的な規範を共有&#12539;遵守するとともに、地域やグローバルな課題に対して、より積極的かつ協調的な役割を果たすことが強く期待されている。一方、貿易不均衡や為替レート問題、人権問題などをめぐって他国との摩擦も生じているほか、中国は、わが国を含む周辺諸国との利害が対立する問題をめぐって、既存の国際法秩序とは相容れない独自の主張2に基づき、力による現状変更の試みを含む高圧的とも指摘される対応を示しており、その中には不測の事態を招きかねない危険な行動も見られるなど、今後の方向性について不安を抱かせる面もある。
また、中国国内には様々な問題が存在している。中央および地方の共産党幹部などの腐敗問題が大きな政治問題となっているほか、急速な経済成長にともない、都市部と農村部、沿岸部と内陸部の間の地域格差の存在に加え、都市内部における貧富の格差、物価の上昇、環境汚染、農業&#12539;工業用水の不足などの問題も顕在化しつつあり、将来的には人口構成の急速な高齢化にともなう問題も予想されている。


このような政権運営を不安定化させかねない要因が拡大&#12539;多様化の傾向にあることから、中国政府は社会の管理に関する取組を強化するものと考えられるが、インターネットの普及などもあり、民衆の行動を統制することについては不安定な側面も指摘されている。さらに中国は、国内に少数民族の問題を抱えており、チベット自治区や新疆(しんきょう)ウイグル自治区などにおいて少数民族の抗議活動などが発生しているほか、少数民族による分離&#12539;独立を目的とした活動も行われていると伝えられている。


このような中、習近平(しゅう&#12539;きんぺい)氏が、2012年11月の共産党第18期中央委員会第1回全体会議において党総書記および党中央軍事委員会主席に、2013年3月の第12期全国人民代表大会第1回会議において国家主席にそれぞれ就任し、いわゆる党権、軍権、政権の三権を掌握した。習国家主席は、同会議において「中華民族の偉大な復興である中国の夢を実現するため、引き続き努力&#12539;奮闘しなければならない」と発言しているが、習政権を取り巻く環境は楽観的なものではなく、各種の課題にいかに対処していくかが注目される3

中国は、国の安定を維持するため、外交面においては、米国やロシアなど大国との良好な関係を維持することによる戦略的な国際環境の安定、周辺諸国の情勢の安定や、世界の多極化の推進、資源&#12539;エネルギー供給など経済発展に必要な権益の確保などを目指しているものと考えられる。
軍事面では、継続する高い国防費の伸びを背景に軍事力のさらなる近代化に努めている。中国は、台湾問題を国家主権にかかわる核心的な問題として特に重視しており、軍事力の近代化においても当面は台湾の独立などを阻止する能力の向上を目指すものとみられるが、近年では、台湾問題への対処以外の任務のための能力の獲得にも積極的に取り組んでいる。中国は政治、経済的に大国として着実に成長し続けているため、軍事に関しても、各国がその動向に注目する存在となっている。


1)中国は、2010年のドル換算の名目国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)でわが国を上回り、経済規模で米国に次いで世界第2位となった。さらに、2012年11月の共産党第18回全国代表大会において、胡錦濤(こ&#12539;きんとう)総書記(当時)が、20年までにGDPを10年比で倍増させる目標を表明している。他方、同年の実質GDP成長率は7.8%となり、1999年以来13年ぶりに8%を下回るなど、高い経済成長を持続させることは容易ではないとの指摘もある。

2)中国は、わが国固有の領土である尖閣[钓鱼]諸島について独自の主張を行っているほか、2013年5月には、中国共産党機関紙が、「歴史的に未決である琉球問題も、再度議論すべき時が到来したと言える」など、沖縄[琉球]がわが国の一部であることについて疑義を呈するが如き内容が含まれる記事を掲載した。なお中国政府は、当該記事について、研究者が個人の資格で執筆したものである旨述べている。

3)2012年11月15日の会見において、習総書記は、「我が党は多くの厳しい挑戦に直面しており、党内に解決が待たれる多くの問題が存在している。特に一部党員幹部の中で汚職&#12539;腐敗、大衆からの遊離、形式主義、官僚主義などの問題があり、気力をふるって解決しなければならない」と述べた。

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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-13 00:44:03 | 显示全部楼层
本帖最后由 关天培 于 2013-7-13 23:41 编辑

2 中国軍事
1 国防政策

中国は、国家の安全と発展の利益に見合った強固な国防と強大な軍隊の建設を国家の近代化建設のための戦略的な任務であると位置づけており、国防政策の目標と任務については、主に、国家の主権、安全、発展の利益を擁護すること、社会の調和と安定を擁護すること、国防と軍隊の近代化を推進すること、ならびに世界の安定と平和を擁護することであるとしている1

中国は、湾岸戦争やコソボ紛争、イラク戦争などにおいて見られた世界の軍事発展の趨勢に対応し、情報化条件下の局地戦に勝利するとの軍事戦略2に基づいて、軍事力の機械化および情報化を主な内容とする「中国の特色ある軍事変革」を積極的に推し進めるとの方針をとっている。中国は、軍事や戦争に関して、物理的手段のみならず、非物理的手段も重視しているとみられ、「三戦」と呼ばれる「輿論(よろん)戦」、「心理戦」および「法律戦」を軍の政治工作の項目に加えた3ほか、「軍事闘争を政治、外交、経済、文化、法律などの分野の闘争と密接に呼応させる」4との方針も掲げている。

中国の軍事力近代化においては、ロシアなど陸上で国境を接する周辺諸国との関係の安定化を背景として、台湾問題への対処、具体的には台湾の独立および外国軍隊による台湾の独立支援を阻止する能力の向上が、最優先の課題として念頭に置かれていると考えられる。

さらに、近年では、台湾問題への対処以外の任務のための能力の獲得にも積極的に取り組んでおり、非伝統的安全保障分野における軍隊の活用も重視する方針を打ち出しつつある。軍事力近代化の長期的な計画については、「2020年までに機械化を基本的に実現させ、情報化建設において重大な進展を成し遂げる」との目標を掲げ、「情報化条件下における局地戦で勝利する能力を中核とする、多様化した軍事任務を完遂する能力を向上させ、新世紀における新段階での軍隊の歴史的使命を全面的に履行する」5としており、国力の向上にともない軍事力も発展させていく考えであるとみられる。

中国は国防費を継続的に増加し、核&#12539;ミサイル戦力や海&#12539;空軍を中心とした軍事力の広範かつ急速な近代化を進め、戦力を遠方に展開させる能力の強化に取り組んでいる。また、各軍&#12539;兵種間の統合作戦能力の向上、実戦に即した訓練の実施、情報化された軍隊の運用を担うための高い能力を持つ人材の育成および獲得、国内の防衛産業基盤の向上に努めている6。さらに中国は、自国の周辺海空域において活動を急速に拡大&#12539;活発化させている。このような中国の動向は、軍事や安全保障に関する透明性の不足とあいまって、わが国を含む地域&#12539;国際社会にとっての懸念事項であり、わが国として強い関心をもって注視していく必要がある。

2 軍事に関する透明性
中国は、従来から、具体的な装備の保有状況、調達目標および調達実績、主要な部隊の編成や配置、軍の主要な運用や訓練実績、国防予算の内訳の詳細などについて明らかにしていない。また、軍事力の近代化の具体的な将来像は明確にされておらず、軍事や安全保障に関する意思決定プロセスの透明性も十分確保されていない。
中国は、1998年以降2年ごとに、「中国の国防」などの国防白書を発表してきており、外国の国防当局との対話も数多く行われている。2007年8月には、国連軍備登録制度への復帰および国連軍事支出報告制度への参加を表明し、それぞれの制度に基づく年次報告を提出した。また、中国国防部は、2011年4月から毎月定例で報道官による記者会見を行っている。
このように、中国が、自国の安全保障についてまとまった文書を継続して発表していることや軍備と軍事支出に関する国連の制度に復帰&#12539;参加したことなどは、軍事力の透明性向上に資する動きとして評価できる。
一方で、たとえば、国防費の内訳の詳細については、基本的に、人員生活費、活動維持費、装備費に三分類し、それぞれの総額と概括的な使途を公表しているのみであり、「2008年中国の国防」では情報開示の面でわずかな進展は見られたものの7、主要装備品の調達費用などの基本的な内訳も示されていない。また、2013年4月に発表された国防白書「中国武装力の多様化運用」においては、記述を特定のテーマに限定し、一部にこれまでよりも詳細に記述したところがある反面、それまでの国防白書にはあった国防費に関する記述が一切なくなるなど、透明性が低下している面も見られ、国際社会の責任ある大国として望まれる透明性は依然として確保されていない。中国が2009年に提出した国連の軍事支出報告制度の報告も、わが国を含む多くの国が使用している軍事支出の内訳を詳細に記載する標準様式による報告ではなく、すでに中国が国防白書で公表している内容とほぼ同様の簡略な報告であった。

中国の軍事に関する意思決定や行動に懸念を生じさせる事案も生じている。たとえば、中国原子力潜水艦によるわが国領海内潜没航行事案(2004年11月)については、国際法違反にもかかわらずその詳細な原因は明らかにされていない。また、中国海軍艦艇による海自護衛艦に対する火器管制レーダー照射事案など(2013年1月)が発生していることについては、中国国防部および外交部が同レーダーの使用そのものを否定するなど事実に反する説明を行っている。近年では、軍事力近代化にともなう軍の専門化の進展や任務の多様化など軍を取り巻く環境が大きく変化してきている中で、共産党指導部と人民解放軍との関係が複雑化しているとの見方や、対外政策決定における軍の影響力が変化しているとの見方8もあり、こうした状況については危機管理上の課題としても注目される。
中国は、政治、経済的に大国として着実に成長し、軍事に関しても各国がその動向に注目する存在となっている。中国に対する懸念を払拭するためにも、中国が国防政策や軍事力の透明性を向上させていくことがますます重要になっており、今後、国防政策や軍事力に関する具体的な情報開示などを通じて、中国が軍事に関する透明性を高めていくことが望まれる。

3 国防費
中国は、2013年度の国防予算を約7,202億元9と発表した10。発表された予算額を昨年度の当初予算額と比較すると、約10.7%(約698億元)の伸びとなり11、中国の公表国防費は、引き続き速いペースで増加している12。公表国防費の名目上の規模は、過去10年間で約4倍、過去25年間で33倍以上の規模となっている。中国は、国防と経済の関係について、「2010年中国の国防」において、「国防建設と経済建設の調和的発展の方針を堅持する」と説明し、国防建設を経済建設と並ぶ重要課題と位置づけている。このため、中国は経済建設に支障のない範囲で国防力の向上のための資源投入を継続していくものと考えられる。
また、中国が国防費として公表している額は、中国が実際に軍事目的に支出している額の一部にすぎないとみられていること13に留意する必要がある。たとえば、装備購入費や研究開発費などはすべてが公表国防費に含まれているわけではないとみられている。
(図表I-1-3-1参照)


4 軍事態勢
中国の軍事力は、人民解放軍、人民武装警察部隊14と民兵15から構成されており、中央軍事委員会の指導および指揮を受けるものとされている16。人民解放軍は、陸&#12539;海&#12539;空軍と第二砲兵(戦略ミサイル部隊)からなり、中国共産党が創建、指導する人民軍隊とされている。

(1)核戦力およびミサイル戦力
中国は、核戦力および弾道ミサイル戦力について、50年代半ばごろから独自の開発努力を続けており、抑止力の確保、通常戦力の補完および国際社会における発言力の確保を企図しているものとみられている17核戦略に関して、中国は、核攻撃を受けた場合に、相手国の都市などの少数の目標に対して核による報復攻撃を行える能力を維持することにより、自国への核攻撃を抑止するとの戦略をとっているとみられている18
中国は、大陸間弾道ミサイル(ICBM:Intercontinental Ballistic Missile)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM:Submarine-Launched Ballistic Missile)、中距離弾道ミサイル(IRBM/MRBM:Intermediate-Range Ballistic Missile/Medium-Range Ballistic Missile)、短距離弾道ミサイル(SRBMShort-Range Ballistic Missile)という各種類&#12539;各射程の弾道ミサイルを保有している。これらの弾道ミサイル戦力は、液体燃料推進方式については固体燃料推進方式への更新による残存性および即応性の向上が行われている19ほか、射程の延伸、命中精度の向上や多弾頭化などの性能向上の努力が行われているとみられている。
戦略核戦力であるICBMについては、これまでその主力は固定式の液体燃料推進方式のミサイルであったが、中国は、固体燃料推進方式で、発射台付き車両(TEL:Transporter-Erector-Launcher)に搭載される移動型のICBMであるDF-31およびその射程延伸型であるDF-31Aを配備しており、特にDF-31Aについては、その数を今後増加させていくとの指摘もある20。また、SLBMについては、現在射程約8,000kmとみられている新型SLBMであるJL-2の開発およびこれを搭載するためのジン級弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN:Ballistic Missile Submarine Nuclear-Powered)の建造が行われているとみられている。JL-2が実用化に至れば、中国の戦略核戦力は大幅に向上するものと考えられる。
わが国を含むアジア太平洋地域を射程に収めるIRBM/MRBMについては、液体燃料推進方式のDF-3のほか、TELに搭載され移動して運用される固体燃料推進方式のDF-21も配備されており、これらのミサイルは、核を搭載することが可能である。中国はDF-21を基にした命中精度の高い通常弾頭の弾道ミサイルを保有しており、空母などの洋上の艦艇を攻撃するための通常弾頭の対艦攻撃弾道ミサイル(ASBM:Anti-Ship Ballistic Missile)を配備しているとの指摘もある21

また、中国は、IRBM/MRBMに加えて、射程1,500km以上の巡航ミサイルであるDH-10(CJ-10)のほか、核兵器や巡航ミサイルを搭載可能なH-6(Tu-16)中距離爆撃機を保有しており、これらは、弾道ミサイル戦力を補完し、わが国を含むアジア太平洋地域を射程に収める戦力となる可能性がある22。SRBMについては、固体燃料推進方式のDF-15およびDF-11を多数保有し、台湾正面に配備しており23、わが国固有の領土である尖閣[钓鱼岛]諸島を含む南西[琉球]諸島の一部もその射程に入っているとみられている。
一方、中国は2010年および2013年1月に、ミッドコース段階におけるミサイル迎撃技術の実験を行ったと発表しており、中国による弾道ミサイル防衛の今後の動向が注目される。
(図表I-1-3-2参照)

(2)陸上戦力
陸上戦力については、約160万人と世界最大である。中国は、1985年以降に軍の近代化の観点から行ってきた人員の削減や組織&#12539;機構の簡素化&#12539;効率化に引き続き努力しており、装備や技術の面で立ち遅れた部隊を漸減し、能力に重点を置いた軍隊を目指している。具体的には、これまでの地域防御型から全国土機動型への転換を図り、歩兵部隊の自動車化、機械化を進めるなど機動力の向上を図っているほか、空挺部隊(空軍所属)、特殊部隊およびヘリコプター部隊の強化を図っているものと考えられる。また、部隊の多機能化を進め、統合作戦能力の向上と効率的な運用に向けた指揮システムの構築に努力し、後方支援能力を向上させるための改革にも取り組んでいる。中国は2009年、軍区を横断する演習としては過去最大とされる「跨越2009」演習を行ったほか、2010年にも同様の機動演習「使命行動2010」を行った。これらの演習は、陸軍の長距離機動能力、民兵や公共交通機関の動員を含む後方支援能力など、陸軍部隊を遠隔地に展開するために必要な能力の検証&#12539;向上などを目的としていたと考えられる。
(図表I-1-3-3参照)

(3)海上戦力
海上戦力は、北海、東海、南海の3個の艦隊からなり、艦艇約970隻(うち潜水艦約60隻)、約147万トンを保有しており、自国の海上の安全を守り、領海の主権と海洋権益を保全する任務を担っている。中国海軍は、キロ級潜水艦のロシアからの導入や新型国産潜水艦の積極的な建造を行うなど潜水艦戦力を増強24するとともに、艦隊防空能力や対艦攻撃能力の高い水上戦闘艦艇の増強を進めている。また、大型の揚陸艦25や補給艦の増強を行っているほか、2008年10月には大型の病院船を就役させた26
空母に関しては、ウクライナから購入した未完成のクズネツォフ級空母ワリャーグの改修を進め、2011年8月から2012年8月の間に計10回の試験航行を行った後、同年9月に遼寧(りょうねい)と命名し、就役させた27。同艦就役後も艦載機パイロットの育成や国産のJ-15艦載機の開発など必要な技術の研究&#12539;開発を継続していると考えられる28。また、中国初の国産空母の建造を進めている可能性があるとの指摘もある29
このような海上戦力の近代化状況などから、中国は近海における防御に加え、より遠方の海域において作戦を遂行する能力の構築を目指していると考えられる。こうした中国の海上戦力の動向には今後も注目していく必要がある。


(4)航空戦力
航空戦力は、空軍、海軍を合わせて作戦機を約2,580機保有している。第4世代の近代的戦闘機は着実に増加しており、ロシアからSu-27戦闘機の導入&#12539;ライセンス生産などを行い、対地&#12539;対艦攻撃能力を有するSu-30戦闘機も導入しているほか、Su-27戦闘機を模倣したと指摘されるJ-11Bや国産のJ-10戦闘機を量産している。また、中国は次世代戦闘機との指摘もあるJ-20の開発を進めている30ことに加え、別の次世代戦闘機の開発も進めているとの指摘もある31。また、H-6空中給油機やKJ-2000早期警戒管制機などの導入により近代的な航空戦力の運用に必要な能力を向上させる努力も継続している。さらに、輸送能力向上のため、ロシアから大型輸送機を導入予定とも伝えられているほか、新型のY-20大型輸送機を開発中32であるともみられている。このような多種多様な航空機の自国での開発&#12539;生産&#12539;配備やロシアからの導入に加え、中国は無人機の自国での開発&#12539;生産&#12539;配備も進めているとみられている33
このような航空戦力の近代化状況などから、中国は、国土の防空能力の向上に加えて、より前方での制空戦闘および対地&#12539;対艦攻撃が可能な能力の構築や長距離輸送能力の向上を目指していると考えられる34。こうした中国の航空戦力の動向には今後も注目していく必要がある。


(5)宇宙の軍事利用およびサイバー戦に関する能力
中国は宇宙開発の努力を続けており、これまでに国産のロケットを使用して各種の人工衛星を打ち上げたほか、有人宇宙飛行、月周回衛星の打上げなどを行っている35。中国の宇宙開発は、国威の発揚や宇宙資源の開発を企図しているとの見方がある一方、宇宙開発においては軍事分野と非軍事分野が関連しているとみられることから36、中国は、軍事目的で情報収集、通信、航法などの宇宙利用を行っている可能性がある。最近では、複数の中国空軍幹部が、空軍として宇宙利用に積極的に取り組む方針を明らかにしている37
中国は対衛星兵器の開発も行っており、07(同19)年1月に弾道ミサイル技術を応用して自国の人工衛星を破壊する実験を行ったほか、レーザー光線を使用して人工衛星の機能を妨害する装置を開発しているとの指摘もある。また、中国はサイバー空間に強い関心を有しているとみられている38
中国が対衛星兵器やサイバー空間に関心を有している背景には、迅速で効率的な戦力の発揮に欠くことのできない軍事分野での情報収集、指揮通信などが人工衛星やコンピュータ&#12539;ネットワークへの依存を高めていることが指摘できる。

5 海洋に関する活動


(1)わが国近海における活動の状況
近年、中国は、より遠方の海域および前方の空域における作戦遂行能力の構築を目指していると考えられ、その海上戦力および航空戦力による海洋における活動を質&#12539;量ともに急速に拡大させている。特に、わが国周辺海空域においては、何らかの訓練と思われる活動や情報収集活動を行っていると考えられる中国の海軍艦艇39や海&#12539;空軍機、海洋権益の保護などのための監視活動を行う中国の海上法執行機関所属40の公船や航空機が多数確認されている41。このような中国の活動には、わが国領海への侵入や領空の侵犯、さらには不測の事態を招きかねない危険な行動を伴うものがみられ、極めて遺憾であり、中国は国際的な規範の共有&#12539;遵守が求められる。

海上戦力の動向としては、中国海軍の艦艇部隊による太平洋への進出回数が近年増加傾向にあり、現在では当該進出が常態化している。また、その東シナ海&#12539;太平洋間の往復ルートが、2008年以来毎年通過してきた沖縄[琉球]本島と宮古島[八重山]の間の海域に加え、2012年4月には、大隅海峡を初めて東進したほか、同年10月には、与那国島と西表島近傍の仲ノ神島の間の海域を初めて北進しており、多様化の傾向にあるなど、外洋での展開能力の向上を図っているものと考えられる。2013年1月には、東シナ海において、中国海軍艦艇から海自護衛艦に対して火器管制レーダーが照射された事案や、中国海軍艦艇から海自護衛艦搭載ヘリコプターに対して同レーダーが照射されたと疑われる事案が発生している。

航空戦力などの動向としては、近年、中国海&#12539;空軍の航空機によるわが国に対する何らかの情報収集と考えられる活動が活発にみられるようになっており、近年、航空自衛隊による中国機に対する緊急発進の回数も急激な増加傾向にある。2007年9月には複数のH-6中距離爆撃機が、東シナ海上空においてわが国の防空識別圏に入り日中中間線付近まで進出する飛行を行っており、2010年3月にはY-8早期警戒機が、同じく日中中間線付近まで進出する飛行を行っている。2011年3月にはY-8哨戒機およびY-8情報収集機が、日中中間線を越えて尖閣[钓鱼岛]諸島付近のわが国領空まで約50kmに接近する飛行を行うなど、飛行パターンも多様化している。2012年には戦闘機を含む中国機による活動も活発化した。2013年1月には、中国国防部が東シナ海における中国軍機による定例的な警戒監視および同軍戦闘機による空中警戒待機(CAP:Combat Air Patrol)とみられる活動の実施について公表を行っているほか、「中国武装力の多様化運用」では、空軍による海上空域での警戒パトロールに関する記述が新たに追加されており、2013年に入り、戦闘機を含む中国機による活動はさらに活発化している。また、2011年3月、4月および2012年4月には、東シナ海において警戒監視中の海自護衛艦に対して、中国国土資源部国家海洋局所属とみられるヘリコプターなどが近接飛行する事案が発生している42

尖閣[钓鱼岛]諸島周辺のわが国領海においては、2008年12月に中国国家海洋局所属の「海監」船が徘徊&#12539;漂泊といった国際法上認められない航行を行ったほか、2010年9月には、わが国海上保安庁巡視船と中国漁船との衝突事件が生起している。その後も、2011年8月、2012年3月および同年7月に「海監」船や中国農業部漁業局所属(当時)の「漁政」船が、当該領海に侵入する事案が発生している43。このように、「海監」船および「漁政」船は、近年徐々に当該領海における活動を活発化させてきたが、2012年9月のわが国政府による尖閣[钓鱼岛]三島(魚釣島、北小島、南小島)の所有権の取得以降、当該領海へ頻繁に侵入している。2013年4月23日には、当該領海に8隻の「海監」船が侵入した。一方、2012年9月、中国国防部報道官は尖閣諸島[钓鱼岛に関する中国独自の立場に言及した上で、管轄海域における中国海軍艦艇によるパトロールの実施は完全に正当かつ合法的である旨発言している。
尖閣[钓鱼岛諸島およびその周辺上空のわが国領空については、2012年12月に、中国国家海洋局所属の固定翼機が中国機として初めて当該領空を侵犯する事案が発生し、その後も同局所属の固定翼機の当該領空への接近飛行が度々確認されている。
なお、2012年10月には、中国海軍東海艦隊の艦艇が「海監」船や「漁政」船と領土主権および海洋権益の維持&#12539;擁護に着目した共同演習を実施しているほか、海軍の退役艦艇を国家海洋局などに引き渡しているとみられるなど、海軍は、運用面および装備面の両面から海上法執行機関を支援しているとみられる。
(図表I-1-3-4参照)



(2)わが国近海以外における活動の状況
わが国の近海以外でも、東南アジア諸国連合(ASEAN:Association of Southeast Asian Nations) 諸国などと領有権について争いのある南沙&#12539;西沙諸島などを含む南シナ海において活動を活発化させている。2009年3月には、中国海軍艦艇、国家海洋局の海洋調査船、漁業局の漁業監視船およびトロール漁船が、南シナ海で活動していた米海軍の音響測定艦に接近し、同船の航行を妨害するなどの行為を行う事案などが発生しているほか、中国海軍艦艇が周辺諸国の漁船に対し威嚇射撃を行う事案も生起していると伝えられている。さらに近年では、同海域における中国の活動に対してベトナムやフィリピンなどが抗議を行うなど、南シナ海をめぐって中国と周辺諸国との摩擦が表面化している。
参照 5節

(3)わが国近海などにおける活動の目標
中国が海軍の任務として海洋権益の擁護や海上の安全を守ることを法律などに明記している点44、中国の置かれた地理的条件、グローバル化する経済などの諸条件を一般的に考慮すれば、中国海軍などの海洋における活動には、次のような目標があるものと考えられる。
第1に、中国の領土や領海を防衛するために、可能な限り遠方の海域で敵の作戦を阻止することである。これは、近年の科学技術の発展により、遠距離からの攻撃の有効性が増していることが背景にある。
第2に、台湾の独立を抑止&#12539;阻止するための軍事的能力を整備することである。たとえば、中国は、台湾問題を解決し、中国統一を実現することにはいかなる外国勢力の干渉も受けないとしており、中国が、四海に囲まれた台湾への外国からの介入を実力で阻止することを企図すれば、海洋における軍事作戦能力を充実させる必要がある45
第3に、中国が独自に領有権を主張している島嶼(しょ)の周辺海域において、各種の監視活動や実力行使などにより、当該島嶼に対する他国の実効支配を弱め、自国の領有権に関する主張を強めることである。

第4に、海洋権益を獲得し、維持および保護することである。中国は、東シナ海や南シナ海において、石油や天然ガスの採掘およびそのための施設建設や探査を行っている46
第5に、自国の海上輸送路を保護することである。背景には、中東からの原油の輸送ルートなどの海上輸送路が、グローバル化する中国の経済活動にとって、生命線ともいうべき重要性を有していることがある。将来的に、中国海軍が、どこまでの海上輸送路を自ら保護すべき対象とするかは、そのときの国際情勢などにも左右されるものであるが、近年の中国の海&#12539;空軍の近代化を考慮すれば、その能力の及ぶ範囲は、中国の近海を越えて拡大していくと考えられる。
こうした中国の海洋における活動の目標や近年の動向を踏まえれば、今後とも中国は、東シナ海や太平洋といったわが国近海および南シナ海などにおいて、活動領域をより一層拡大するとともに活動の常態化をさらに進めていくものと考えられる。このため、わが国周辺における海軍艦艇の活動や各種の監視活動のほか、活動拠点となる施設の整備状況47、自国の排他的経済水域などの法的地位に関する独自の解釈の展開48などを含め、その動向により一層注目していく必要がある。

6 軍の国際的な活動

人民解放軍は近年、平和維持、人道支援&#12539;災害救助、海賊対処といった非伝統的安全保障分野における任務を重視し始めており、これらの任務を行うために積極的に海外にも部隊を派遣するようになってきている。このような軍の国際的な活動に対する姿勢の背景には、中国の国益が国境を越えて拡大することにともない、国外において国益の保護および促進を図る必要が高まっていることや、大国として国際社会に対する責任を果たす意思を示すことにより自国の地位を強化する意図があるとみられている。
中国は、PKOを一貫して支持するとともに積極的に参加するとしており、「中国武装力の多様化運用」によれば、これまでにPKOにのべ2万2,000人の軍人が派遣されている。国連によれば、中国は、2013年4月末時点で、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS:United Nations Mission in the Republic of South Sudan)など9のPKOに計1,872人の部隊要員、文民警察要員、軍事監視要員を派遣しており、PKOにおいて一定の存在感を示している。中国のPKOに対する積極姿勢の背景には、同活動を通じて当該PKO実施地域、特にアフリカ諸国との関係強化を図るとの狙いもあるとみられている。
また、中国は、ソマリア沖&#12539;アデン湾における海賊に対処するための国際的な取組にも参加しており、中国海軍として初めての遠洋における任務として、2008年12月から、同海域に海軍艦艇を派遣し、中国船舶などの護衛にあたらせている。これは、中国海軍がより遠方の海域で作戦を遂行する能力を向上させていることを示すとともに、中国が自国の海上輸送路の保護を一層重視しつつあることのあらわれであると考えられる。
さらに、中国は、リビア情勢の悪化を受け、2011年2月から3月にかけて在留中国人の退避活動を行った際、民間のチャーター機などに加え、海軍のフリゲートおよび空軍の輸送機を現地に派遣した。海外在留中国人の退避活動へ軍が参加することは初めてとされ、中国はこの活動を通じて、軍の平和的&#12539;人道的なイメージや、戦争以外の軍事作戦を重視する意図を内外に示すとともに、戦力を遠方に展開させる能力を検証する狙いもあるとの指摘がなされている。

7 教育&#12539;訓練などの状況

人民解放軍は、近年、運用面においても近代化を図ることなどを目的として実戦的な訓練の実施を推進しており、陸&#12539;海&#12539;空軍間の協同演習や上陸演習などを含む大規模な演習も行っている。また、習近平総書記の軍に対する発言や、総参謀部による軍などに対する2013年の軍事訓練指示において、「戦いができる。勝つ戦いをする」との目標が繰り返し言及されていることは、軍がより実戦的な訓練の実施を推進している証左と考えられる。2006年に開かれた全軍軍事訓練会議において、機械化条件下の軍事訓練から情報化条件下の軍事訓練への転換の推進が強調され、2009年から施行された、新たな「軍事訓練および評価大綱」では、複数の軍種による統合訓練のほか、非戦争軍事行動の訓練、情報化に関する知識&#12539;技能の教育、ハイテク装備のシミュレーション訓練、ネットワーク訓練、電子妨害が行われるなどの複雑な電磁環境下での訓練などが重視されている。
人民解放軍は、教育面でも、科学技術に精通した軍人の育成を目指している。2003年から、統合作戦&#12539;情報化作戦の指揮や情報化された軍隊の建設などを担うための高い能力を持つ人材を育成するための軍隊の人材戦略プロジェクトが推進されており、2020年にかけて、人材建設の大きな飛躍を成し遂げるという目標を掲げている。人民解放軍で近年行われているとみられる給与水準の向上には優秀な人材を確保する目的があると考えられる。また、2000年から、優秀な高学歴者を確保するため、一般大学の大学生に奨学金を給付して卒業後に将校として入隊させる制度も導入されている。一方、近年では、退役軍人の処遇をめぐる問題も指摘されている。
中国は、戦争などの非常事態において民間資源を有効に活用するため、動員体制の整備を進めてきており、2010年2月には、戦時における動員についての基本法となる「国防動員法」を制定し、同年7月に施行した。

8 国防産業部門の状況


中国では、自国で生産できない高性能の装備や部品をロシアなど外国から輸入しているが、装備の国産化を重視していると考えられ、多くの装備を国産しているほか、新型装備の研究開発に意欲的に取り組んでいる。中国の国防産業部門は、独自の努力のほか、経済成長にともなう民間の産業基盤の向上、軍民両用技術の利用、外国技術の吸収によって発展しているとみられ、中国の軍事力の近代化を支える役割を果たしている49
中国の国防産業は、かつて、過度の秘密主義などによる非効率性のために成長が妨げられてきたが、近年は、国防産業の改革が進められている。特に、軍用技術を国民経済建設に役立てるとともに、民生技術を国防建設に吸収するという双方向の技術交流に重点を置いており、具体的には、国防産業の技術が、宇宙開発や航空機工業、船舶工業の発展に寄与してきたとされている。
また、軍民両用産業分野における国際協力および競争を奨励、支持するとしており、軍民両用の分野を通じて外国の技術を吸収することにも関心を有しているとみられる。




1)「2010年中国の国防」による。なお、2011年9月に発表された「中国の平和的発展」白書において、中国は「覇権を唱えず平和的発展を歩む」と説明する一方で、「国家主権」「国家安全」「領土保全」「国家統一」「国家の政治制度と社会の安定」「経済社会の持続的発展の基本的保障」を含む「核心的利益」については断固擁護するとしている。
2)中国は、以前は、世界的規模の戦争生起の可能性があるとの情勢認識に基づいて、大規模全面戦争への対処を重視し、広大な国土と膨大な人口を利用して、ゲリラ戦を重視した「人民戦争」戦略を採用してきた。しかし、軍の肥大化、非能率化などの弊害が生じたことに加え、世界的規模の戦争は長期にわたり生起しないとの新たな情勢認識に立って、1980年代前半から領土&#12539;領海をめぐる紛争などの局地戦への対処に重点を置くようになった。1991年の湾岸戦争後は、ハイテク条件下の局地戦に勝利するための軍事作戦能力の向上を図る方針がとられてきたが、最近では情報化条件下の局地戦に勝利する能力の強化が軍事力近代化の核心とされている。
3)中国は2003年、「中国人民解放軍政治工作条例」を改正し、「輿論戦」、「心理戦」および「法律戦」の展開を政治工作に追加した。「輿論戦」、「心理戦」および「法律戦」について、米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(2011年8月)は次のように説明している。
&#12539;「輿論戦」は、中国の軍事行動に対する大衆および国際社会の支持を築くとともに、敵が中国の利益に反するとみられる政策を追求することのないよう、国内および国際世論に影響を及ぼすことを目的とするもの
&#12539;「心理戦」は、敵の軍人およびそれを支援する文民に対する抑止&#12539;衝撃&#12539;士気低下を目的とする心理作戦を通じて、敵が戦闘作戦を遂行する能力を低下させようとするもの
&#12539;「法律戦」は、国際法および国内法を利用して、国際的な支持を獲得するとともに、中国の軍事行動に対する予想される反発に対処するもの

4)「2008年中国の国防」による。
5)「2010年中国の国防」による。なお、「2008年中国の国防」では、「21世紀中頃に国防および軍隊の近代化の目標を基本的に達成する」との目標があわせて記述されている。
6)人民解放軍は近年、総参謀部に戦略計画部を新設するなどの組織改編を進めており、これらは軍事戦略の研究やさらなる統合化を企図したものとも指摘されている。
7)「2008年中国の国防」では、2007年度の国防費の支出に限り、人員生活費、活動維持費、装備費のそれぞれについて、現役部隊、予備役部隊、民兵別の内訳が明らかにされた。
8)たとえば、国家主権や海洋権益などをめぐる安全保障上の課題に関して、人民解放軍が態度を表明する場面が近年増加しているとの指摘がある。一方、中国共産党の主要な意思決定機関における人民解放軍の代表者数は過去に比べて減少していることから、党の意思決定プロセスにおける軍の関与は限定的であるとの指摘もある。なお、人民解放軍は「党による軍隊の絶対指導」を繰り返し強調している。
9)中央財政支出における国防予算。なお、全国財政支出における2013年度国防予算は約7,406億元とされており、同予算額を前年度の全国財政支出における国防予算(当初予算)と比べると、約10.5%(約703億元)の伸びとなる。
10)外国の国防費を単純に外国為替相場のレートを適用して他の通貨に換算することは、必ずしもその国の物価水準に照らした価値を正確に反映するものではないが、仮に2013年度の中国の国防予算を1元=13円(2013年度の支出官レート)で換算すると約9兆3,622億円となる。なお、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI:Stockholm International Peace Research Institute)「2012年版年鑑」は、2011(平成23)年の中国の軍事支出を約1,429億米ドルと見積もっており、米国に次ぐ世界第2位としている。
11)中国は、2013年度の国防費の伸び率を「前年度比10.7%(約696億元)の増加」と発表したが、これは2012年度執行額と2013年度当初予算を比較した伸び率である。
12)中国の公表国防費は、中央財政支出における当初予算比で、1989年度からこれまでの間、2010年度を除き、毎年二桁の伸び率を記録している。
13)米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(2013年5月)は、中国の2012年の軍事関連支出は1,350億ドルから2,150億ドルと見積っている。また、同報告書は、中国の公表国防費は、外国からの兵器調達などの主要な支出区分を含んでいないと指摘している。
14)党&#12539;政府機関や国境地域の警備、治安維持のほか、民生協力事業や消防などの任務を負う。「2002年中国の国防」では、「国の安全と社会の安定を維持し、戦時は人民解放軍の防衛作戦に協力する」とされる。
15)平時においては経済建設などに従事するが、有事には戦時後方支援任務を負う。「2002年中国の国防」では、「軍事機関の指揮のもとで、戦時は常備軍との合同作戦、独自作戦、常備軍の作戦に対する後方勤務保障提供および兵員補充などの任務を担い、平時は戦備勤務、災害救助、社会秩序維持などの任務を担当する」とされる。2012年10月9日付解放軍報によれば2010年時点の基幹民兵数は600万人とされている。
16)中央軍事委員会には、形式上は中国共産党と国家の二つの中央軍事委員会があるが、党と国家の中央軍事委員会の構成メンバーは基本的には同一であり、いずれも実質的には中国共産党が軍事力を掌握するための機関とみなされている。
17)2012年12月、習総書記は第二砲兵について、「わが国の戦略的抑止の核心的な力であり、わが国の大国としての地位への戦略的な支えであり、国の安全を擁護する重要な礎である」と発言している。
18)「2010年中国の国防」では、「中国は終始、核兵器先制不使用の政策を遂行し、自衛防御の核戦略を堅持し、いかなる国とも核軍備競争を行わない」としている。一方、米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(2012年5月)は、中国の核兵器先制不使用政策の適用条件については不明瞭な点がある旨指摘している。
19)液体燃料推進方式と固体燃料推進方式の違いについては、2節1脚注6を参照
20)なお、米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(2011年8月)は、中国は新型の移動型ICBMを開発している可能性があり、おそらくこのICBMは、多弾頭独立目標再突入体(MIRV:Multiple Independently Targeted Re-entry Vehicles)を搭載できると指摘している。
21)2011年7月、陳炳徳(ちん&#12539;へいとく)総参謀長(当時)が対艦弾道ミサイルとされる「DF-21D」について、研究開発段階である旨発言したと伝えられる。一方、米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(2013年5月)は、中国がDF-21を基にした対艦弾道ミサイル「DF-21D」の配備を継続していると指摘している。
22)米中経済安全保障再検討委員会(中国との通商&#12539;経済関係が米国の安全保障に及ぼす影響について監視&#12539;調査、および報告書の提出を行うことを目的として米議会に設置された超党派諮問機関)の年次報告書(2010年11月)は、中国は東アジアにおける米空軍の6か所の主要基地のうち5か所を、通常ミサイル(弾道ミサイルおよび陸上発射巡航ミサイル)によって攻撃することが可能であるほか、爆撃機の能力向上によってはグアムの空軍基地をも標的にすることが可能になる、と指摘している。
23)米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」2013年5月は、中国が2012年12月までに台湾対岸に1,100基以上のSRBMを配備したと指摘している。このほか、2011年3月には、台湾の蔡得勝(さい&#12539;とくしょう)国家安全局長は、中国が新型ミサイル「DF-16」を開発&#12539;配備しており、同ミサイルが長射程で威力が大きく主に台湾および米軍介入阻止作戦に対して使用される旨発言したと伝えられる。
24)近年では特に、中国国産で最新鋭のユアン級潜水艦を大幅に増強しているとみられる。同艦は静粛性に優れているほか、必要な酸素をあらかじめ搭載することで、浮上などにより酸素を大気中から取り込むことなく、従来より長期間の潜航が可能となる大気非依存型推進(AIP:Air Independent Propulsion)システムを搭載しているとされる。
25)最近では、満載排水量2万トンを超えるとされる大型揚陸艦「ユージャオ級」を増強しているとみられる。
26)この病院船「岱山島(たいざんとう)」は「平和の方舟」とも呼称されており、2010年8月から11月にかけて医療サービス任務「調和の使命2010」を行い、インド洋沿岸の5か国を訪問したことに引き続き、2011年9月から12月にかけて医療サービス任務「調和の使命2011」を行い、中南米の4か国を訪問し、医療サービスの提供などを行ったとされている。
27)米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(2013年5月)は、空母「遼寧」について、固定翼機の訓練などのために使用されるとの見方を示しつつ、「効果的な運用が可能となるまでには3~4年は必要」とも指摘している。
28)2012年11月には開発中とみられる艦載機「J-15」による空母「遼寧」への発着艦試験が初めて実施され、2013年5月には、中国初の艦載機部隊が正式に創設された旨、報じられた。
29)米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(2012年5月)は、「中国初の国産空母を構成するいくつかの部分は既に建造が始まっているかもしれない。それは2015年以降に運用する能力を有しうる。中国は今後10年で複数の空母と支援艦艇を建造するだろう」と指摘している。
30)ゲイツ米国防長官(当時)は、2011年2月の上院軍事委員会での証言において、中国はステルス性能を備えた次世代戦闘機を2020年までに50機、2025年までに200機程度配備する可能性がある、との見方を示している。2011年1月には、J-20の試作機が初の飛行試験に成功したと報じられ、その後も試験を継続していると伝えられている。
31)2012年10月、J-20とは別に中国が開発中と指摘される新たな次世代戦闘機が初飛行したと報じられた。
32)中国国防部は、2013年1月26日、中国が自主開発したY-20大型輸送機が初試験飛行に成功し、今後計画に基づいて関連する各種試験や試験飛行を継続すると発表している。
33)たとえば、2009年10月の中国建国60周年記念行事における軍事パレードにおいて、無人機が確認されている。
34)「2008年中国の国防」は、中国空軍が「国土防空型から攻防兼備型への転換を加速し、偵察&#12539;早期警戒、航空攻撃、防空&#12539;ミサイル対処および戦略投射能力を高め、近代化された戦略空軍を建設することに力を入れている」と説明している。また、米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(2010年8月)は、中国空軍は引き続き、限定的な領土防衛から、米国およびロシアの空軍をモデルとして、沖合で攻撃および防御の両方の役割で作戦を行うことが可能な、より柔軟性のある有能な戦力への転換を継続している、と指摘している。なお、中国やロシアなどが参加した合同軍事演習「平和の使命2010」(2010年10月)では、中国のH-6爆撃機2機およびJ-10戦闘機2機の戦闘群が、早期警戒機および空中給油機に支援され、片道1,000kmの経路を無着陸で往復し対地攻撃訓練を行ったと伝えられている。
35)最近では2011年9月に宇宙実験室「天宮1号」を打ち上げ、同年11月には無人宇宙船「神舟8号」とのドッキングを、2012年6月には有人宇宙船「神舟9号」とのドッキングをそれぞれ成功させるなど、宇宙ステーション建設なども視野に入れた計画を推進している。また、2012年12月には、衛星航法システム「北斗」がアジア太平洋の大部分の地域を対象にしたサービスを正式に開始し、既に海軍艦艇、「海監」船、「漁政」船、漁船などへの「北斗」システムの搭載が開始されていると報じられている。「北斗」は測位だけでなく双方向のショートメッセージ機能を有しており、同機能を利用することで、中国艦船が確認した他国艦船の位置情報などをリアルタイムで一元的に把握&#12539;共有することが可能になるなど、海洋などにおける情報収集能力が向上するとの指摘もある。また、国防科技工業局は、2013年下半期に月探査衛星「嫦娥3号」による月面着陸を実施予定としている。
36)有人宇宙飛行プロジェクトの総指揮は、人民解放軍総装備部長がとっているとされる。
37)たとえば、許其亮(きょ&#12539;きりょう)空軍司令員(当時)が、「中国空軍は、「航空&#12539;宇宙一体、攻防兼備」の空軍戦略を確立した」と発言したと伝えられている。
38)中国のサイバー戦に関する能力については、2章1節2を参照
39)中国の海軍艦艇による活動としては、たとえば、2004年11月には、中国の原子力潜水艦が、国際法違反となるわが国の領海内での潜没航行を行っている。また、2005年9月には、東シナ海の樫(中国名「天外天」)ガス田付近を中国のソブレメンヌイ級駆逐艦1隻を含む5隻の艦艇が航行し、その一部が同ガス田の採掘施設を周回したことが確認されている。さらに、2006年10月には、沖縄[琉球]近海と伝えられる海域において、中国のソン級潜水艦が米空母キティホークの近傍に浮上したが、米空母に外国の潜水艦が接近したことは軍事的に注目すべき事象と考えられる。
40)中国国務院(わが国の内閣に相当)の隷下の公安部「海警」、国土資源部国家海洋局「海監」、農業部漁業局「漁政」、交通運輸部海事局「海巡」、海関総署海上密輸取締警察などが海上における監視活動などを行ってきたが、2013年3月、「海巡」を除くこれら4つの機関などを統合し、新たな国家海洋局として再編した上で、同局が公安部の指導の下、中国海警局の名称により監視活動などを実施する方針などが決定された。また、辺海防委員会が、国務院および中央軍事委員会の指導の下、これら海上法執行機関および海軍による海洋における活動などについての調整を行っているとされる。なお、2010年10月には、中国は自国の海洋権益維持の法執行能力を向上するため、今後5年以内に30隻の「海監」船を建造する計画を制定した旨伝えられている。
41)人民解放軍については、平時と戦時の兵力配備を同一化し、従来の活動領域を超えた領域での活動を行うなどして、例外的行為を慣例化&#12539;常態化させることにより、相手方の警戒意識の麻痺や国際社会に状況の変化を黙認&#12539;受容させることなどを企図している、との見方(2009年版台湾「国防報告書」)がある。
42)2011年3月7日、中国国家海洋局所属とみられるヘリコプター「Z-9」が、東シナ海中部海域において警戒監視中の護衛艦「さみだれ」に対して、水平約70m、高度約40mの距離に接近し周回したほか、同月26日には、護衛艦「いそゆき」に対して、水平約90m、高度約60mの距離に接近し周回するという事案が発生した。また、4月1日には、「いそゆき」に対し、同局所属とみられる航空機「Y-12」が、水平約90m、高度約60mの距離に接近し周回した。2012年4月12日には、護衛艦「あさゆき」に対し、同局所属とみられる航空機「Y-12」が水平約50m、高度約50mの距離に接近し周回した。
43)2012年2月には、わが国の排他的経済水域において海洋調査を行っていた海上保安庁測量船に対して、中国国家海洋局所属の「海監」船2隻が中止要求を行う事案が発生している。同様の事案は、2010(同22)年5月および9月にも発生している。
44)たとえば、「2010年中国の国防」では、「国家の海洋権益の擁護」が中国の国防政策の目標&#12539;任務の主な内容のひとつとして位置づけられているほか、軍は、国家海洋局などの海上法執行機関と責任を分担して、国境警備&#12539;海上防衛などの任務を行っている旨記述されている。
45)米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(2013年5月)は、中国がアクセス阻止/エリア拒否(A2/AD)の任務を可能にする各種兵器への投資を継続している旨指摘している。A2/ADの定義については、1章1節脚注8を参照
46)東シナ海資源開発国際約束締結交渉は、2010年9月に中国側が延期を一方的に発表した。交渉が再開されない中、中国が白樺油ガス田の開発を行っている可能性が指摘されているほか、樫[天外天]ガス田でも生産が行われている可能性が指摘されている。一方、南シナ海においては、中国国家海洋局が、20125月に石油掘削装置「海洋石油981」が初の掘削に成功したと発表している。
47)中国は、海南島南端の三亜市に、原子力潜水艦用の地下トンネルを有する大規模な海軍基地を建設していると伝えられている。中国にとって同基地は、南シナ海のほか、西太平洋へ進出する上での戦略的要衝に位置しており、空母の配備を含め、南海艦隊の主要な基地として整備が進められているとの指摘もある。
48)中国は近年、国連海洋法条約などの独自の解釈を利用しつつ、自国の排他的経済水域における他国の軍事活動の制限を企図した主張を展開しているとの指摘がある。たとえば、中国政府は、「中国の排他的経済水域においては、許可を得ていない如何なる国の、如何なる軍事活動にも反対である」と表明している(2010年11月26日、外交部声明)。
49)米国防省「中華人民共和国の軍事および安全保障の進展に関する年次報告」(2011年8月)は、中国の国防産業について、造船産業および電子機器分野において特に進展がみられるほか、ミサイルや宇宙システム分野においても技術力を高めているが、対照的に、誘導&#12539;制御システムやエンジン、最新のアプリケーション&#12539;ソフトウェアといった分野における進展は遅く、これらの技術については依然として海外に大きく依存している旨指摘している。

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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-13 23:38:32 | 显示全部楼层
 中国対外関係など
1 全般
中国は、諸外国との間において、軍高官による相互訪問や合同軍事演習などを含む軍事交流を積極的に展開しており、近年では、米国やロシアをはじめとする大国や東南アジアを含む周辺諸国に加えて、アフリカ諸国や中南米諸国などとの軍事交流も活発に行っている。中国の軍事交流は、国家利益を保護するための戦略的手段として、全体的な外交戦略の枠組のひとつとして位置づけられているとみられる1。中国が軍事交流を推進する目的としては、諸外国との関係強化を通じて中国に対する懸念の払拭に努めつつ、自国に有利な安全保障環境の構築や国際社会における影響力の強化などを図ることや、資源&#12539;エネルギーの安定的な確保や海外拠点の構築などがあるものと考えられる。

2 台湾との関係
中国は、台湾は中国の一部であり、台湾問題は中国の内政問題であるとの原則を堅持しており、「一つの中国」の原則が、中台間の議論の前提であり、基礎であるとしている。また、中国は、平和的な統一を目指す努力は決して放棄しないとし、台湾人民が関心を寄せている問題を解決し、その正当な権限を守る政策や措置をとっていく旨を表明する一方で、外国勢力による中国統一への干渉や台湾独立を狙う動きに強く反対する立場から、武力行使を放棄していないことをたびたび表明している。2005年3月に制定された「反国家分裂法」においては、武力行使の不放棄が明文化されている2。
2012年1月の総統選挙において再選された台湾の馬英九(ば&#12539;えいきゅう)総統(国民党)は、二期目も引き続き、中国との経済交流の拡大による台湾経済の発展や、独立よりも現状維持を追求する政策を掲げている。中台関係は、経済協力枠組取決め(ECFA:Economic Cooperation Framework Agreement)の発効をはじめとして、経済分野を中心に進展している。一方、安全保障面では、中国側は、中台が適当な時期に軍事問題にかかる接触&#12539;交流を行い、軍事安全保障の相互信頼醸成メカニズムの構築を検討することなどを呼びかけているのに対して、台湾側は、条件が整っていないとし、慎重な姿勢を示している3また、尖閣【钓鱼岛】諸島について、中台はそれぞれ独自の主張を展開4しているが、台湾は中国との連携については否定的な態度を示している。軍事問題を含む政治対話の動向を含め、今後の中台関係の動向が注目される。

3 米国との関係
米中間には、中国の人権問題や台湾問題、貿易問題など、種々の懸案が存在している。一方、中国側としては、安定的な米中関係は経済建設を行っていく上で必須であり、今後もその存続を望んでいくものと考えられる。
米国は、世界経済の回復、気候変動、大量破壊兵器の拡散問題などの国際的課題について、中国が国際社会と協力して責任ある主導的な役割を担うことを歓迎するとしている。また、中国の軍事力近代化を注視するとし、米中間に意見の一致しない問題があることを認め、人権問題などについて米国の立場を率直に主張する旨を明らかにする一方、米中間の意見の相違によって両国の利益にかかわる課題についての協力が妨げられるべきではないともしている5
これに対し、中国側は、21世紀における積極的、協力的かつ全面的な米中関係をともに構築する旨を表明しており、幅広い分野での実利的協力を通じて米中関係の安定的発展を重視する姿勢を示している。
また、尖閣
钓鱼岛諸島については、米国は日米安全保障条約が同諸島に適用される旨繰り返し表明しているが、これに対し中国は、同諸島を「当該条約の適用範囲に入れる如何なる言動も受け入れられない」(2010年中国外交部報道官発言)などと反発する姿勢を示している。
米中間では、軍事面での交流も進展し、各種の政策対話が行われてきたほか、米軍の演習へのオブザーバーの派遣、海軍艦艇の相互訪問の機会における共同訓練が行われ、2008年4月には両国の国防当局間にホットラインが開設された。また、2012年9月には、パネッタ米国防長官(当時)が2014年の環太平洋合同演習(リムパック)に中国海軍の艦艇を初めて招待する旨発表した。しかしながら、中国は、米中両軍間の関係を発展させることを望みつつも、両軍関係の健全な発展を実現するには、台湾への武器売却、米軍艦艇&#12539;航空機による中国の排他的経済水域における活動、両軍交流における法的障害、米側による対中戦略的信頼の欠如といった問題を解決する必要があるとも主張しており6、2008年10月および2010年1月に米国防省が台湾への武器売却を議会に通知した際には、米国との主要な軍事交流の中止を通告するなど、米中間の軍事交流には不安定な側面もみられる7。これに対して、米国は、中国の軍事力の発展や意思決定過程の透明性の欠如などは中国の将来の行動と意図について疑問を抱かせるものであり、米中関係は、信頼を増進し、誤解を減らすプロセスによって下支えする必要があるとしている8。このため米国は、軍事交流においても、問題が生じるたびに軍事交流が中断される状況を改善し、より安定的な意思疎通のチャンネルを維持できる関係の構築を目指すとみられ、近年では、たとえば米中戦略&#12539;経済対話において戦略安保対話の創設(2011年5月)などを行っている。

4 ロシアとの関係
1989年にいわゆる中ソ対立に終止符が打たれて以来、中露双方は、継続して両国関係重視の姿勢を見せている。90年代半ばに、両国間で「戦略的パートナーシップ」を確立して以来、同パートナーシップの深化が強調されており、2001年には、中露善隣友好協力条約9が締結されている。2004年には、長年の懸案であった中露国境画定問題も解決されるに至った。両国は、世界の多極化と国際新秩序の構築を推進するとの認識を共有し、近年では、資源&#12539;エネルギー供給をはじめとする経済的な動機も良好な中露関係の重要な牽引役となってきている。
軍事面では、中国は、90年代以降、ロシアから戦闘機や駆逐艦、潜水艦など近代的な武器を購入しており、中国にとってロシアは最大の武器供給国であるが、中国の武器国産化の進展などを背景に近年取引額が低下傾向にあるとされている。また、ロシアは、陸上で国境を接する中国に対して自国に脅威が及ぶような特定の高性能武器は供与しないなどの方針を有しているとの指摘や、武器輸出における中国との競合を懸念しつつあるとの指摘もある。
中露間の軍事交流としては、定期的な軍高官などの往来に加え、合同軍事演習を行っており10、中国としては、これらの交流を通じて、両国軍の間の相互理解や信頼醸成を進めることおよび多極化世界の一つの極としての中露の存在を誇示することだけではなく、ロシア製兵器の運用方法やロシア軍の作戦教義などを学習することなどが可能になると考えられる。

5 北朝鮮との関係
北朝鮮は、中国にとって「伝統的友誼」関係にあり、食糧支援やエネルギー供給において多くの割合を中国に依存しているとみられていることなどから、中国は北朝鮮に対し他の国よりも大きな影響力を有すると考えられている。中国には、核問題の解決に向け、積極的な役割を果たすことが国際社会から期待されている。一方、中国は、2010年3月の哨戒艦沈没事件や同年11月の延坪島砲撃事件に関連して、北朝鮮に対して厳しい対応をとることに慎重な姿勢を示したほか、2011年12月の金正日(キム&#12539;ジョンイル)国防委員会委員長の死去に際しては、金正恩(キム&#12539;ジョンウン)氏を中心とした新体制を支持する姿勢を迅速に表明するなどしている。このような中国の姿勢については、朝鮮半島情勢が不安定化する可能性を同国がこれまで以上に懸念していることが背景にあると考えられる。2012年11月に習近平氏が中国共産党総書記に就任して以降も、北朝鮮は、同年12月に「人工衛星」と称するミサイルの発射を、2013年2月には核実験を実施しており、習政権が北朝鮮に対し今後どのような姿勢で臨んでいくのか注目される11

6 その他の諸国との関係
(1)東南アジア諸国との関係
東南アジア諸国との関係では、引き続き首脳クラスなどの往来が活発であり、中国は、この地域のすべての国との二国間関係の発展を図ってきている。特にミャンマーとは従来から良好な関係を有しており、中国はミャンマーに対して石油や天然ガスのパイプライン建設や港湾、鉄道などの開発を含むインフラ整備を支援しているほか、主要な装備品の供給元となっている。この背景には、ミャンマーは中国にとってインド洋へ最短距離でアクセスする位置にあることも関係しているとの指摘もある12。
ASEAN+1(中国)やASEAN+3、ASEAN地域フォーラム(ARF:ASEAN Regional Forum)といった多国間の枠組においても中国は積極的な関与を行っている。中国は、外交の場を利用して、ASEAN諸国との間の経済的、文化的協力関係の深化を進めるとともに、最近では、軍高官の往来や部隊間の交流&#12539;協力を含む軍事交流を活発化させるなど、安全保障分野における協力関係を進展させることに積極的である。
(2)中央アジア諸国との関係
中国西部の新疆(しんきょう)ウイグル自治区は、中央アジア地域と隣接している。カザフスタン、キルギス、タジキスタンの3か国とは直接国境を接しており、それぞれの国境地帯をまたがって居住する少数民族があり、人的交流も活発である。そのため、中国にとって中央アジア諸国の政治的安定やイスラム過激派によるテロなど治安情勢は大きな関心事項であり、01(同13)年6月に設立された上海協力機構(SCO:Shanghai Cooperation Organization)への関与は、中国のこのような関心の表れとみられる。また、中国は、資源&#12539;エネルギーの供給源や調達方法の多様化などを図るため、中央アジアの豊富な資源&#12539;エネルギーに強い関心を有しており、中国&#12539;中央アジア間に石油や天然ガスのパイプラインを建設するなど、中央アジア諸国とのエネルギー分野での協力を進めている。
(3)南アジア諸国との関係
中国は、国境紛争などからインドとは対立関係が続いてきたが、インドと対立関係にあるパキスタンとは従来から特に密接な関係を有し、JF-17戦闘機の共同開発を行うなど、武器輸出13や武器技術移転を含む軍事分野での協力関係も進展しているとみられている。中国経済のグローバル化にともない中国にとって海上輸送路の重要性が増す中、パキスタンがインド洋に面しているという地政学上の特性もあり、中国にとってパキスタンの重要性は高まっているものと考えられる。一方で、近年、中国は、パキスタンとのバランスにも配慮しつつ、インドとの関係改善にも努めており、積極的な首脳往来を行う中で、インドとの関係を戦略的パートナーシップの関係にあるとし、過去、軍事衝突に至った中印国境画定問題も進展していると表明している。インドとの関係進展の背景には、中印両国における経済成長の重視や米印関係の強化の動きへの対応があるものと考えられる。
軍事交流では、中国とパキスタンやインドとの間で、2003年以降、海軍共同捜索&#12539;救難訓練をはじめ、各種の共同訓練が行われている。
(4)EU諸国との関係
近年、中国にとって欧州連合(EU:European Union)諸国は、特に経済面において、わが国、米国と並ぶパートナーとなっている。中国は、外交の場を利用して、EU諸国に対し、1989年の天安門事件以来の対中武器禁輸措置の解除を強く求めてきている14
EU加盟国は、情報通信技術、航空機用電子機器、潜水艦の大気非依存型推進システムなどにおいて中国や中国に武器を輸出しているロシアよりも進んだ軍事技術を保有しており、EUによる対中武器禁輸措置が解除された場合、EU諸国の武器や軍事技術が中国に移転されたり、ロシアとの武器取引を有利にするための交渉材料として用いられたりする可能性がある。このため、わが国からEUに対しては、対中武器禁輸措置の解除に一貫して反対の意を表明してきている。一方、EUは欧州の政府債務危機への対応のため中国に対し資金面での支援を求めており、これを機に中国側が対中武器禁輸措置の解除を求める動きを加速させるとの見方もなされていることから、引き続き今後のEU内の議論に注目していく必要がある。
(5)中東&#12539;アフリカ諸国、太平洋島嶼国、中南米諸国との関係
中国は、従来から、インフラ建設支援や資源&#12539;エネルギー開発への積極的な投資などを通じて特に経済面において中東&#12539;アフリカ諸国との関係強化に努めており、その影響力をさらに拡大させつつある。近年では、首脳クラスのみならず軍高官の往来も活発であるほか、武器輸出や部隊間の交流なども積極的に行われるようになっている。このような動きの背景には、資源&#12539;エネルギーの安定供給を確保する狙いのほか、将来的には海外拠点の確保も念頭においているとの見方がある。
中国は、太平洋島嶼国との関係も強化しており、パプア&#12539;ニューギニアにおいて石油、天然ガス、コバルト鉱山などの開発を進めているほか、同国と軍事協力に関する協定を締結している。また、他の島嶼国に対しても積極的かつ継続的な経済援助を行っているほか、フィジーやトンガとの間では軍事交流を進める動きもみられる。
中南米諸国との関係では、アルゼンチンやブラジルをはじめとする各国へ軍高官が継続的に訪問しているほか、中国海軍の病院船による医療サービス任務を行うなど、中国は中南米諸国との関係強化に努めている。

7 武器の国際的な移転
中国は、アジア、アフリカなどの開発途上国に小型武器、戦車、航空機などの供与を拡大しており、パキスタン、イラン、バングラデシュなどが主要な輸出先とされているほか、ナミビア、エジプト、アルジェリア、スーダンなどのアフリカ諸国や、ベネズエラ、ペルーなどの中南米諸国にも武器を輸出している。中国からの武器移転については、友好国との戦略的な関係の強化や国際社会における発言力の拡大のほか、資源&#12539;エネルギーの獲得にも関係しているとの指摘がある。また、中国は、民主主義や人権の観点から問題のある国家に武器を供給しているとの指摘もあり、中国が、国際社会の懸念に応えて武器の国際的な移転に関する透明性を向上させていくかが注目される。


1)「2010年中国の国防」では、「中国は全方位の対外軍事関係を発展させ、各国の軍隊との交流や協力を着実に進め、相互信頼&#12539;互恵の軍事的安全環境を整えるよう努めている」とされている。
2)同法は、「「台独」分裂勢力(「台湾独立」をめざす分裂勢力)がいかなる名目、いかなる方式であれ台湾を中国から切り離す事実をつくり、台湾の中国からの分離をもたらしかねない重大な事変が発生し、または平和的統一の可能性が完全に失われたとき、国は非平和的方式その他必要な措置を講じて、国家の主権と領土保全を守ることができる」と規定している。
3)中国については、2008年12月31日に行われた、「台湾同胞に告げる書」30周年記念座談会における胡錦濤総書記(当時)による談話。台湾については、2013年3月13日に台湾国防部が発表した「4年毎の国防見直し(QDR)」。
4)台湾当局の船舶は、2012年に3回、尖閣钓鱼岛 諸島周辺のわが国領海へ侵入した。
5)米国「国家安全保障戦略」(2010年5月)。また、2012年1月の国防戦略指針は、「中国の台頭は米国の経済&#12539;安全保障に様々な形での潜在的な影響を持つ」とし、「米中両国は、東アジアにおける平和と安定に強い利害関心を有しており、協力的な二国関係の構築に関心を持つ」としている。
6)ゲイツ米国防長官(当時)との会談における徐才厚(じょ&#12539;さいこう)中央軍事委員会副主席(当時)の発言(2009年10月)。また、馬暁天(ば&#12539; ぎょう てん)副総参謀長(当時)は、2010年12月に開催された第11回米中防衛協議の場において、「米側による対台湾武器売却、議会による両軍交流を制限する関連法および米国艦艇&#12539;航空機の中国の排他的経済水域における頻繁な偵察は、両軍関係を発展させる上での主な障害である」と発言している。
7)たとえば、2011年9月に米国防省が台湾への武器売却を議会に通知した際、中国は米国の姿勢を強く批判したほか、ソマリア沖&#12539;アデン湾における共同訓練などを延期した。その一方で、対米関係の安定化に努める姿勢は継続させており、2012年2月には習近平国家副主席(当時)が訪米しオバマ大統領と会談したほか、同年5月には梁光烈(りょう&#12539; こうれつ)国防部長(当時)が訪米しパネッタ国防長官(当時)と会談するなど、軍事交流を含む両国関係の重要性が確認されている。
8)米国「4年ごとの国防計画見直し」(QDR:Quadrennial Defense Review)(2010年2月)。また、2012年1月の国防戦略指針も、地域における摩擦を回避するため、「中国の軍事力の成長は、その戦略的意図に関するより高い透明性を伴ったものでなければならない」と指摘している。
9)同条約は、軍事面において、国境地域の軍事分野における信頼醸成と相互兵力削減の強化、軍事技術協力などの軍事協力、平和への脅威などを認識した場合の協議の実施などに言及している。
10)中露間では、2005年8月に初めての大規模な合同軍事演習が中国の山東半島などで行われた。また、2007年8月、2009年7月、2010年9月および2012年6月には、SCO加盟国による対テロ作戦を内容とする合同演習が行われた。さらに、2012年4月には、中露両国の海軍による大規模な合同軍事演習「海上協力2012」が黄海で行われた。なお、SCOは、地域の平和や安定の維持、テロへの共同対処、政治&#12539;貿易&#12539;経済といった共通利益分野での協力などを目的にしており、対テロ合同演習「平和の使命」を行っているほか、2012年6月のSCO首脳会議においてアフガニスタンをSCOのオブザーバー国として承認するなど、アフガニスタンを含む中央アジアの情勢の安定に向けた努力も行っている。
11)中国は、2003年以来、北京で開催されてきた六者会合で議長役を務めているほか、2006年の北朝鮮による核実験実施の際に北朝鮮に制裁措置を課した国連安保理決議第1718号や、 2009年5月の2回目の核実験実施を受けて北朝鮮に対する追加的な措置を決定した国連安保理決議第1874号や、2013年2月の3回目の核実験実施を受けて北朝鮮に対する制裁をさらに強化することを決定した国連安保理決議第2094号などに、北朝鮮に対する配慮を示しつつも賛成している。一方、北朝鮮が米国との交渉を重視しているとみられること、また中国は周辺地域の情勢が不安定化して国内に波及することを懸念して強硬な手段を講じることを逡巡すると考えられることから、中国の北朝鮮に対する影響力には一定の限度があるとの見方もある。
12)ミャンマーは、外交姿勢について、極端な対中依存からの脱却を図りつつあるとみる向きもある。
13)ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)「2012年版年鑑」によれば、2007年から2011年における中国の武器輸出額のうち、約61%をパキスタンが占めており、中国にとっての最大の武器輸出先となっている。
14)たとえば、2010年11月には胡錦濤国家主席(当時)が訪仏し、中仏双方が対中武器禁輸措置の解除を支持する旨を盛り込んだ共同声明を発表するなど、EU内の一部には対中武器禁輸の解除に前向きな姿勢を示す国もあるとみられる。

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兰色凡尘 发表于 2013-7-14 19:52:28 | 显示全部楼层
2013年日本白皮书将被安倍带到死亡之路上去
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 楼主| 台灣獵戶人 发表于 2013-7-17 09:03:56 | 显示全部楼层
第I部 わが国を取り巻く安全保障環境

4 台湾の軍事力など
台湾は、馬英九総統が提唱する「固若磐石(磐石のように堅固)」の国防建設の方針のもと、戦争の予防、国土の防衛、緊急事態への対応、衝突の防止および地域の安定を戦略目標とし、「防衛固守、有効抑止」を内容とする軍事戦略を採っている。
台湾は、兵士の専門性を高めることなどを目的として、総兵力を27万5,000人から21万5,000人まで削減しつつ、2014年末までに徴兵および志願兵から構成されている台湾軍を完全志願制に移行させることを目指している。
また、台湾軍は、先進科学技術の導入や統合作戦能力の整備を重視しているほか、2009年8月の台風により深刻な被害が発生したことを踏まえ、防災&#12539;災害救助能力を軍の主要任務の一つとしている。
台湾軍の勢力は、現在、陸上戦力が陸軍39個旅団および海軍陸戦隊3個旅団などの約21万5,000人であり、このほか、有事には陸&#12539;海&#12539;空軍合わせて約165万人の予備役兵力を投入可能であるとみられている。海上戦力については、米国から導入されたキッド級駆逐艦のほか、比較的近代的なフリゲートなどを保有している。航空戦力については、F-16A/B戦闘機、ミラージュ2000戦闘機、経国戦闘機などを保有している。
人民解放軍がミサイル戦力や海&#12539;空軍力の拡充を進める中で、台湾軍は、装備の近代化が依然として課題であると考えている。米国防省はこれまで台湾関係法に基づき台湾への武器売却を決定してきている1が、台湾側はF-16C/D戦闘機などの購入も希望しており、今後の動向が注目される。一方、台湾は、独自の装備開発も進めており、地対空ミサイル天弓IIや対艦ミサイル雄風IIを配備しているほか、長距離攻撃能力の獲得のため巡航ミサイル雄風IIEの開発や、弾道ミサイル対処能力の獲得のため地対空ミサイル天弓IIIの開発などを進めているとみられている。
中台の軍事力の一般的な特徴については次のように考えられる。
<1> 陸軍力については、中国が圧倒的な兵力を有しているものの、台湾本島への着上陸侵攻能力は限定的である。しかしながら、近年、中国は大型揚陸艦の建造など着上陸侵攻能力の向上に努力している。
<2> 海&#12539;空軍力については、中国が量的に圧倒するのみならず、台湾が優位であった質的な面においても、近年、中国の海&#12539;空軍力が着実に近代化されている。
<3> ミサイル攻撃力については、中国は、台湾を射程に収める短距離弾道ミサイルを多数保有しており、台湾には有効な対処手段が乏しいとみられる。
軍事能力の比較は、兵力、装備の性能や量だけではなく、想定される軍事作戦の目的や様相、運用態勢、要員の練度、後方支援体制など様々な要素から判断されるべきものであるが、中国は軍事力の近代化を急速に進め、中台の軍事バランスは全体として中国側に有利な方向に変化しており、今後の中台の軍事力の近代化や、米国による台湾への武器売却などの動向に注目していく必要がある。
(図表I-1-3-5&#12539;6参照)




1)最近では、2008年10月に地対空ミサイル&#12539;ペトリオットPAC-3、AH-64D攻撃ヘリコプターなどの売却を、2010年1月にPAC-3、UH-60ヘリコプター、オスプレイ級掃海艇などの売却を、2011年9月にF-16A/B戦闘機の改良に必要とされる機器などを含む武器売却を、それぞれ決定している。

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雨亭兰 发表于 2013-7-17 14:25:18 | 显示全部楼层
兰色凡尘 发表于 2013-7-14 19:52
2013年日本白皮书将被安倍带到死亡之路上去

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